日本初のETF29日上場、先進国株式に分散投資=日興アセット・今井幸英氏に聞く
世界の株式に分散投資できる日本初のFTF(上場投資信託)がいよいよ登場する。日興アセットマネジメントは29日に「上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI―KOKUSAI)」(=上場MSコク、以下、上場MSCIコクサイ株)<1680.T>、2月24日に「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」(=上場MSエマ、以下、上場MSCIエマージング株)<1681.T>を東京証券取引所に上場する。上場MSCIコクサイ株は日本を除く先進国22カ国の株式、上場MSCIエマージング株は新興国22カ国の株式の市場の値動きを表す指数を連動対象とする(09年12月末時点)。両ETFの特徴や日興アセットのETFを利用したポートフォリオ(資産構成)の構築例について同社の商品企画部ETFセンター長の今井幸英氏に聞いた。
――なぜ先進国と新興国の株式を投資対象としたETFをいずれも上場しようと考えたのか。
「効率的な資産運用を可能にするツールとして、先進国と新興国の株式を幅広くカバーできる商品をいち早く準備する必要があると考えたからだ。また、個人投資家からMSCIコクサイとMSCIエマージングに連動するETFを上場してほしいという声が以前から聞かれていた。両指数に連動する海外上場ETFに投資している個人投資家がすでにいたこともあり、ニーズがあると判断した」
「ETFが成功するには個人投資家だけではなく、機関投資家にも支持される商品であることが必要だ。MSCIコクサイは日本の年金基金が外国株投資で使用する代表的な指数として知られている。MSCIエマージングも新興国株式の分野で定評がある指数だ」
――信託報酬がいずれのETFも年率0.2625%(税込み)と低く抑えられている。同じ指数に連動する既存のインデックスファンドの信託報酬に比べて半分以下の水準だ。信託報酬を決定するにあたりどのような点を意識したのか。
「すでに先行して同じ指数に連動する他社のETFが海外市場にあるので、当社のETFに投資してもらう意味があるものとするために、信託報酬はこれら競合商品に負けない水準にすることを意識した」
――上場MSCIコクサイ株と上場MSCIエマージング株のいずれも円建てだが、ETFの基準価額および市場価格は為替の影響を受けるのか。
「ETFが投資対象としている資産の通貨に対して円高が進めば基準価額が低下する要因に、円安になれば基準価額が上昇する要因になる」
――世界の株式に投資するETFがラインアップに加わったことで、日興アセットのETFだけでポートフォリオを組めるようになった。長期的な資産運用の観点でETFのどのような利用方法が考えられるか。
「例えば、年齢が比較的若い資産形成世代にとって、世界の株式に分散投資するETFを保有して世界経済の成長の享受を目指すことはとても有力な選択肢になるのではないか。先進国株式だけでなく、高成長が期待される新興国の株式を併せ持つことの効果はよく指摘されるところだが、これも今回新たに上場する2つのETFをご利用いただければ簡単に実現できる」
「一方、定年退職などにより、今後一定の資金を計画的に少しずつ使っていきたいというニーズを持つ投資家には、定期的に分配金が支払われるタイプのETFを検討対象に加えていただいてはどうか。当社のETFでは外国債券を投資対象とした『上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型』<1677.T>(=上場外債、1677)やJリート(不動産投資信託)に投資する『上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型』<1345.T>(=上場Jリート、1345)が選択肢となる」
「もっとも、こうした資産配分はあくまで一例であり、すべての投資家にとって当てはまるものでない。投資家のリスク許容度や資金の性格などによってさまざまな組み合わせが考えられる。個々の資産運用ニーズに即したポートフォリオの構築に、分散投資のツールとして極めて利便性が高いETFをご活用いただきたい」
提供:モーニングスター社
――なぜ先進国と新興国の株式を投資対象としたETFをいずれも上場しようと考えたのか。
「効率的な資産運用を可能にするツールとして、先進国と新興国の株式を幅広くカバーできる商品をいち早く準備する必要があると考えたからだ。また、個人投資家からMSCIコクサイとMSCIエマージングに連動するETFを上場してほしいという声が以前から聞かれていた。両指数に連動する海外上場ETFに投資している個人投資家がすでにいたこともあり、ニーズがあると判断した」
「ETFが成功するには個人投資家だけではなく、機関投資家にも支持される商品であることが必要だ。MSCIコクサイは日本の年金基金が外国株投資で使用する代表的な指数として知られている。MSCIエマージングも新興国株式の分野で定評がある指数だ」
――信託報酬がいずれのETFも年率0.2625%(税込み)と低く抑えられている。同じ指数に連動する既存のインデックスファンドの信託報酬に比べて半分以下の水準だ。信託報酬を決定するにあたりどのような点を意識したのか。
「すでに先行して同じ指数に連動する他社のETFが海外市場にあるので、当社のETFに投資してもらう意味があるものとするために、信託報酬はこれら競合商品に負けない水準にすることを意識した」
――上場MSCIコクサイ株と上場MSCIエマージング株のいずれも円建てだが、ETFの基準価額および市場価格は為替の影響を受けるのか。
「ETFが投資対象としている資産の通貨に対して円高が進めば基準価額が低下する要因に、円安になれば基準価額が上昇する要因になる」
――世界の株式に投資するETFがラインアップに加わったことで、日興アセットのETFだけでポートフォリオを組めるようになった。長期的な資産運用の観点でETFのどのような利用方法が考えられるか。
「例えば、年齢が比較的若い資産形成世代にとって、世界の株式に分散投資するETFを保有して世界経済の成長の享受を目指すことはとても有力な選択肢になるのではないか。先進国株式だけでなく、高成長が期待される新興国の株式を併せ持つことの効果はよく指摘されるところだが、これも今回新たに上場する2つのETFをご利用いただければ簡単に実現できる」
「一方、定年退職などにより、今後一定の資金を計画的に少しずつ使っていきたいというニーズを持つ投資家には、定期的に分配金が支払われるタイプのETFを検討対象に加えていただいてはどうか。当社のETFでは外国債券を投資対象とした『上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型』<1677.T>(=上場外債、1677)やJリート(不動産投資信託)に投資する『上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型』<1345.T>(=上場Jリート、1345)が選択肢となる」
「もっとも、こうした資産配分はあくまで一例であり、すべての投資家にとって当てはまるものでない。投資家のリスク許容度や資金の性格などによってさまざまな組み合わせが考えられる。個々の資産運用ニーズに即したポートフォリオの構築に、分散投資のツールとして極めて利便性が高いETFをご活用いただきたい」
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