ファンドマネジャーの報酬制度も投信評価の重要ポイント=米モーニングスター
米モーニングスターは04年から投資信託の投資家向けに「スチュワードシップ・グレード」というファンドの評価基準を公表し始めた。その後、同評価基準には様々な改良を加えたが、当初から変わっていないのはファンドマネジャーの報酬に関する部分だ。当社はファンドマネジャーが投資家の利益を第一に考え資産運用をしているかどうかを判断するためにこの基準を利用している。
評価は主に2つの点に基づき行う。1点目ではファンドマネジャーが自分自身の資金をどの程度ファンドに投資しているかを確認する。ファンドマネジャーが自ら大金を投資していれば、投資家と利害を共有するようになり、投資家にとって最大の利益になるよう運用する可能性が高いからだ。
2つ目のポイントはファンドマネジャーに支払われる成功報酬がどのように決定されるのかという点だ。この仕組みが分かれば、ファンドマネジャーの投資の方向性が投資家の利害と合致するかが分かる。重要なのはファンドマネジャーが受け取る報酬金額ではなく、その報酬額を決める方法だ。
多くの場合、ファンドマネジャーに支払われるボーナスは運用リターンの大きさによって決まるが、ボーナスが1年間の運用成績で査定される場合には、ファンドマネジャーは長期運用を考えている投資家よりも短期運用の投資家寄りなってしまう。この点で注目されるのは米投信のアメリカン・ファンズだ。同ファンドでは、ベンチマークや競合ファンドと比較したファンドの1年間と4年間の成績に基づき、特に4年間のリターンに重きを置いてファンドマネジャーの報酬を決めている。
また、米投信のセンチネル・ファンズの場合、ファンドマネジャーのボーナスは、全体の25%が1年間、50%は3年間、残り25%は5年間の運用成績に基づいている。それぞれの期間で、米モーニングスターのカテゴリー別の平均リターンを下回ればボーナスは支払われない。反対に、カテゴリーの上位10%にランクインすれば最大のボーナスが得られる仕組みになっている。
しかし、フィデリティのように、情報開示を行っていても期間別の運用成績に基づいたボーナス支払いの割合を公表していないケースもあり、ファンドマネジャーの報酬に関する情報開示が十分に進んでいるとはまだ言えない状況だ。(2009年1月27日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社
評価は主に2つの点に基づき行う。1点目ではファンドマネジャーが自分自身の資金をどの程度ファンドに投資しているかを確認する。ファンドマネジャーが自ら大金を投資していれば、投資家と利害を共有するようになり、投資家にとって最大の利益になるよう運用する可能性が高いからだ。
2つ目のポイントはファンドマネジャーに支払われる成功報酬がどのように決定されるのかという点だ。この仕組みが分かれば、ファンドマネジャーの投資の方向性が投資家の利害と合致するかが分かる。重要なのはファンドマネジャーが受け取る報酬金額ではなく、その報酬額を決める方法だ。
多くの場合、ファンドマネジャーに支払われるボーナスは運用リターンの大きさによって決まるが、ボーナスが1年間の運用成績で査定される場合には、ファンドマネジャーは長期運用を考えている投資家よりも短期運用の投資家寄りなってしまう。この点で注目されるのは米投信のアメリカン・ファンズだ。同ファンドでは、ベンチマークや競合ファンドと比較したファンドの1年間と4年間の成績に基づき、特に4年間のリターンに重きを置いてファンドマネジャーの報酬を決めている。
また、米投信のセンチネル・ファンズの場合、ファンドマネジャーのボーナスは、全体の25%が1年間、50%は3年間、残り25%は5年間の運用成績に基づいている。それぞれの期間で、米モーニングスターのカテゴリー別の平均リターンを下回ればボーナスは支払われない。反対に、カテゴリーの上位10%にランクインすれば最大のボーナスが得られる仕組みになっている。
しかし、フィデリティのように、情報開示を行っていても期間別の運用成績に基づいたボーナス支払いの割合を公表していないケースもあり、ファンドマネジャーの報酬に関する情報開示が十分に進んでいるとはまだ言えない状況だ。(2009年1月27日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社