野村AMが「野村RCM・グリーン・テクノロジー・ファンド」を設定、当初募集期間中に486億円を集める

 野村アセットマネジメントが6月24日に設定・運用を開始した「野村RCM・グリーン・テクノロジー・ファンド」(追加型/内外/株式)は、当初募集期間中に約486億円を集めるなど、人気を集めた。米国版「グリーン・ニューディール政策」をはじめとして世界各国で代替エネルギーなどの利用促進や、環境汚染防止を狙った環境関連プロジェクトが活発化しており、投資テーマとしても大きな注目を集めている。こういった環境のなか、販売会社の野村証券は、グリーン・テクノロジーを大きな中心テーマとして扱うファンドを導入した。7月3日時点の純資産総額は521億円に拡大している。年1回決算(6月18日)。また、「野村RCM・グリーン・テクノロジー マネープール・ファンド」も同時に設定されている。

 同ファンドは、新興国を含む世界のグリーン・テクノロジー企業の株式に実質的に投資する(ファミリーファンド方式で投資)。同ファンドでは、これらグリーン・テクノロジー企業のなかでも、環境保全にかかわる3分野として、(1)エコエネルギーや代替エネルギーなどの環境配慮型エネルギー(2)環境品質や廃棄物マネジメント、リサイクリングといった環境汚染防止(3)水処理技術や水の供給技術など「清浄な水資源」関連――の企業に注目する。
 銘柄選定は総合金融グループのアリアンツSE傘下のRCMが銘柄選定を担当する。RCMは環境配慮型エネルギー、環境汚染防止などの長期的テーマを通した投資機会を目指すサスティナビリティ運用の専門チームを有し、独自の調査ネットワークも持つ。運用は7人で行うが、その特徴はRCM独自の調査体制「グラスルーツリサーチ」の活用にあるという。「グラスルーツリサーチ」は、セクターアナリストなどのファンダメンタルズ分析に加え、世界30カ国、300人以上の市場調査員などが調査対象の収益機会やリスクを調査、幅広い観点からの調査を行うことが強みといえる。「社外リサーチでマスコミなどを活用するなど、通常のアナリストとは異なった情報を持っている」(プロダクト・マーケティング部)という。

 すでに06年5月に海外で運用を開始しているファンド「グローバル・エコトレンド」と同様の運用を行うが、欧州では08年に「最優秀気候変動ファンド賞」を受賞するなど、その投資手法、運用は評価を受けている。具体的な投資プロセスとしては、投資候補ユニバース400銘柄のなかから、ファンダメンタル分析を行い200銘柄から300銘柄に絞り込み、最終的に約50銘柄から70銘柄程度でポートフォリオを構成する。「投資対象の銘柄は分散が効いたものになっている」(同)という。参考ポートフォリオ(グローバル・エコトレンド、09年3月現在)の事業別配分比率は、環境配慮型エネルギーに48.7%、清浄な水資源に24.6%、環境汚染防止に17.2%。国別では、米国が34.9%でトップだが、英欧の企業が比率としては多くなる。一方、日本企業も4.5%、「3から4銘柄」(同)が投資対象となる。

 また、現状こうしたグリーン・テクノロジーに注目する背景として、いわゆるエコビジネスが収益を産む環境が整ってきていることを指摘。グリーン・テクノロジー株の過去の推移(FTSE ET50 Index 世界的なグリーン・テクノロジー株の動きを示す代表的な指数)をみると、原油価格の上昇との連動が指摘されるが、米国版「グリーン・ニューディール政策」などで収益拡大の可能性が高まってきている今、「これからは過去のインデックスとは異なった動きを示す可能性がある」(同)との見方だ。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。