UBSグローバル・アセットが「日興UBS中国A株ファンド」を設定、「リーディング」企業に注目

 UBSグローバル・アセット・マネジメントは9月18日、「日興UBS中国A株ファンド」(追加型/海外/株式)の設定・運用を開始する。当初募集期間は9月7日から17日まで。
 QFII(適格国外機関投資家)枠を活用して中国A株に投資するファンドは今年前半にも多く設定され人気を集めたが、UBSグループ(UBSグローバル・アセット・マネジメント・グループの認可分2億ドルを含む)のQFII枠は6月末現在で約10億ドルに達し、中国株式のIPOの引受額も外資系でトップクラスと、中国現地に深いネットワークを構築し、現地の情報に精通している。
 今回、希少性の高い中国A株に投資することに加え、中国A株の中でも各セクターを代表する「リーディング企業」や「リーディング企業」に育つ可能性のある企業の株式に投資する。販売会社は日興コーディアル証券。年1回(9月25日)決算。

 「日興UBS中国A株ファンド」は、ファンド・オブ・ファンズ形式で運用を行い、中国A株を主要投資対象とする外国投資信託証券を通じて、実質的に中国A株に投資する。運用プロセスにおいては、上海や深セン上場の中国A株1600銘柄の中から、定量的な観点からのスクリーニングなどの選別を経て、30銘柄から50銘柄程度でポートフォリオを構築する。
 運用に関しては、UBSグローバル・アセット・マネジメント・グループのアジア株式運用チーム19人に加え、UBS銀行と中国の国家開発投資公司SDICとの現地合弁会社「UBS SDIC Fund Management Co.,Ltd」のインベストメント・リサーチ・チーム27人の現地情報を活用する。「UBS SDIC」は中国・深センに本部を置き、上海や北京にも拠点を構え、現地リサーチ・チームの27人と中国現地企業に精通した調査体制を整えている。「現地リサーチ・チームで年300回以上の会社訪問を行う」(森英世・投信営業本部長兼投信営業部長)と、各セクターに精通した現地のスペシャリストが調査を行い、UBSグローバル・アセット・マネジメント・グループの中国株のスペシャリスト2人が運用を行う。ベンチマークはない。

 同ファンドでは、中国A株の中でも各セクターを代表する「リーディング企業」や「リーディング企業」に成長する可能性の高い企業に投資する。同ファンドの考える「リーディング企業」とは、経済の成長段階にある中国で市場シェアやブランド力を武器に価格決定力を持つ優れた企業を指す。同時に、マーケット環境によって成長性の高いセクターは変化することから、状況に応じて業種配分を積極的に見直し、市場全体を上回るリターンを目指す。
 2009年7月末時点でのモデルポートフォリオでは、セクター別構成比で銀行21%、不動産13%、資本財・サービス12%、一般消費財・サービス11%となっており、金融や消費財関連が多くを占める構成となっている。これは過去「世界の工場」として輸出セクターを中心とした企業が活躍していたが、世界的な金融危機後の輸出産業の回復がまだ弱いなか、今後は中国の内需拡大が期待できることが背景。「各セクターの代表銘柄を組み入れる予定。日本では案外気付かれていない銘柄も入る」(同)と、日本でもメジャーな銘柄から認知度の低い「リーディング企業」までUBSグローバル・アセット・マネジメント・グループの持つ調査力を生かした銘柄発掘を行っている。
 また、短期的には中国A株を含めた中国株式市場の調整の行方が懸念されるところだが、中国A株全体ではPERなどバリュエーション面で直近のピークからはまだ低い水準にあること、中国のGDP(国内総生産)は過去の10%を超える高成長時からは減速したものの高い成長を続けていること、中国政府当局の金融政策もこれまでの緩和的状況から引き締め方向への転換の可能性は低いこと――を理由に中長期的には中国A株に対し強気の見方をしている。
提供:モーニングスター社
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