欧州株に投資マネーの“大波”到来か、HSBC投信が描く中小型株主導の強気相場

 「大きな“波”が欧州に押し寄せる」――。HSBC投信の松田庄平代表取締役社長は同社がこのほど開催した新ファンド「HSBC ユーロランド中小型株式オープン」の記者向け説明会でこう予想した。松田社長が描くのは、13年に買われ過ぎた米国株から資金が流出し、出遅れ感が強い欧州株に資金が向かうとのシナリオだ。グローバルに展開するHSBCグループは新興国関連投資のイメージが強いが、資産運用部門の投資地域別運用資産残高比率は13年末時点で新興国の34%に次いで欧州が31%と高く、欧州への投資においても存在感を発揮している。

 HSBC投信が3月25日に設定した「HSBC ユーロランド中小型株式オープン」は、ルクセンブルク籍ファンド「HSBC グローバル・インベストメント・ファンド ユーロランド中小型株式」を通じてユーロ圏の中小型株に実質的に投資する。HSBCグローバル・アセット・マネジメントの欧州株式チームのヘッドを務めるフレデリック・ルゲー氏は景気後退を脱した欧州経済について、「緊縮財政の影響が弱まる一方、ECB(欧州中央銀行)の緩和的な金融政策に下支えされ、内需主導での成長を達成する」との見通しを示す。

 欧州の景気回復に合わせ株価の先高観が強まるなか、ルゲー氏が特に注目するのが中小型株だ。同氏によると、欧州の中小型株は景気変動への感応度が高く、景気回復局面において市場をアウトパフォームする傾向がある。特に欧州危機の際、割安に放置された中小型株が多いことから注目度が高いという。また、ECBの金融緩和を受けて資金調達コストが低下したことにより、「欧州のM&A(企業の合併・買収)が活発化する見通しで、中小型株は買収のターゲットになりやすい」(同氏)。

 投資先ファンド「HSBC グローバル・インベストメント・ファンド ユーロランド中小型株式」の運用プロセスは、まず約2000銘柄の投資ユニバースから投資テーマに基づき約600銘柄を選定。選定後、企業分析によりさらに約80−100銘柄に絞り込み、最終的に流動性などを加味して約50−60銘柄でポートフォリオを構築する。現在の投資テーマとしては「ニッチ市場で活躍する世界的企業や人口の高齢化、技術革新などの恩恵を受ける企業が注目される」(ルゲー氏)といい、多角的な視点から有望銘柄の発掘に取り組んでいる。運用は同氏が統括する欧州株式運用部門のうち、中小型株式に精通した4名で構成される専門チームが担当。メンバーはいずれも同社において10年以上運用に携わっており、経験は豊富だ。

 投資先ファンドの別のシェアクラス(Iクラス)は欧州モーニングスターの定量評価であるスターレーティング(2月末時点)が5段階で上から2番目の4つ星と、上位の評価を得ていることから、今後の「HSBC ユーロランド中小型株式オープン」のパフォーマンスも注目となる。
提供:モーニングスター社
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