一目で分かる、分散投資管理ツールで思わぬリスクの発見を
年初から変動の大きい相場が続き、自身が保有する資産の損益が気掛かりな投資家も多いだろう。複数の証券会社や銀行で資産を保有する投資家や、仕事の関係で平日に金融機関の窓口を訪れることのできない投資家にとってはなおさらかもしれない。
そこで、今回はモーニングスターの「ポートフォリオツール」を紹介したい。自身が購入した投資信託や株式の銘柄・口数(株数)、購入日、購入手数料(税込み)などを入力することで、ファンドや個別株式、および全体の時価・損益を日次で管理することができる。現在の利用者登録数は約14万8000名に上り、そのうち、男性ユーザーが8割、女性ユーザーが2割であり、年代別では20代から50代の勤労世代が全ユーザーの7割を、勤務形態別ではフルタイム勤務(いわゆる会社員)のユーザーが4割を占めている。
<ポートフォリオ登録ファンドは直近の人気ファンドとは趣が異なる>
では、実際にポートフォリオツールを利用するユーザーはどのようなファンドを登録しているのか。2016年1月末時点のデータをランキングにまとめた。
ポートフォリオ登録件数上位ファンド第1位の「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」<2004032603>と第4位の「フィデリティ・USリートB(H無)」<2003120902>は、過去1年間の純資金流入上位ファンド(人気ファンド)においてそれぞれ第8位と第1位につけている。いずれも世代別のポートフォリオ登録件数ランキングでは50代、60代、70代で上位にランクインし、人気を誇っている。この傾向は第2位の「ワールド・リート・オープン」<2004070201>や第6位の「フィデリティUSハイ・イールドファンド」<1998040105>でも同様であり、50代以上の世代では利回りの高い資産への関心が高い様子だ。
ポートフォリオ登録件数上位ファンド第3位の「ニッセイ 日経225インデックスファンド」<2004012801>や第5位「eMAXIS新興国株式インデックス」<2009102808>のような指数の値動きと連動するパッシブファンドや株式型のファンドは、20代、30代、40代の資産形成層で上位にみられた。コストの安さや中・長期の運用期間を武器に値上がり資産への関心が高い様子だ。
また、上位10銘柄すべてにモーニングスターレーティングが付与されていた。ポートフォリオツールのユーザーは、長期の運用実績のあるファンドをポートフォリオに登録していることが分かる。参考として、過去1年間の純資金流入上位ファンドでは、カバードコール戦略をとるファンドやテーマ型ファンドが多く見られ、過去3年以内の新設ファンドのランクインが3本と旬なファンドが目立つが、これらのファンドはポートフォリオ登録件数上位10位にはランクインしていない。
<多角的な視点から分散投資のチェックを>
では、実際にポートフォリオツールを使う場合、どのような機能があるのか。日次の損益の把握ができることに加え、さまざまな視点から自身の持つ資産全体のチェックを行える点が魅力となる。具体的には、資産クラス別、地域・国別、株式・債券スタイル別、コスト、レーティング、リスクリターン分布という7項目において分散がなされているかなどを一目で確認できる。地域別や資産別の分散を見て、自身の資産が特定の人気カテゴリーの商品に偏っていた、リスクリターン分布をみて、リスクの高い資産に70%以上の資産が入っていた、コストの高い商品ばかり持っていた、などの気付きを得ることで思わぬリスクが発見できる。
また、ホームページ上で前述した年代別の人気ランキングを掲載しており、自分と同世代の投資家がどういったものを登録しているのかという情報を参考にすることもできるだろう。積み立て投資を登録できることも利用者にとっては便利な機能となる。
相場の変動率は高まっており、どの資産が上がるか下がるかの予想は難しさを増している。分散投資が改めて重要視されるなか、ご自身のリスク許容内で運用を続けるためにポートフォリオの管理をしっかり行うことが長期投資を成功させる秘訣となるだろう。(吉川裕子)
提供:モーニングスター社
そこで、今回はモーニングスターの「ポートフォリオツール」を紹介したい。自身が購入した投資信託や株式の銘柄・口数(株数)、購入日、購入手数料(税込み)などを入力することで、ファンドや個別株式、および全体の時価・損益を日次で管理することができる。現在の利用者登録数は約14万8000名に上り、そのうち、男性ユーザーが8割、女性ユーザーが2割であり、年代別では20代から50代の勤労世代が全ユーザーの7割を、勤務形態別ではフルタイム勤務(いわゆる会社員)のユーザーが4割を占めている。
<ポートフォリオ登録ファンドは直近の人気ファンドとは趣が異なる>
では、実際にポートフォリオツールを利用するユーザーはどのようなファンドを登録しているのか。2016年1月末時点のデータをランキングにまとめた。
ポートフォリオ登録件数上位ファンド第1位の「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」<2004032603>と第4位の「フィデリティ・USリートB(H無)」<2003120902>は、過去1年間の純資金流入上位ファンド(人気ファンド)においてそれぞれ第8位と第1位につけている。いずれも世代別のポートフォリオ登録件数ランキングでは50代、60代、70代で上位にランクインし、人気を誇っている。この傾向は第2位の「ワールド・リート・オープン」<2004070201>や第6位の「フィデリティUSハイ・イールドファンド」<1998040105>でも同様であり、50代以上の世代では利回りの高い資産への関心が高い様子だ。
ポートフォリオ登録件数上位ファンド第3位の「ニッセイ 日経225インデックスファンド」<2004012801>や第5位「eMAXIS新興国株式インデックス」<2009102808>のような指数の値動きと連動するパッシブファンドや株式型のファンドは、20代、30代、40代の資産形成層で上位にみられた。コストの安さや中・長期の運用期間を武器に値上がり資産への関心が高い様子だ。
また、上位10銘柄すべてにモーニングスターレーティングが付与されていた。ポートフォリオツールのユーザーは、長期の運用実績のあるファンドをポートフォリオに登録していることが分かる。参考として、過去1年間の純資金流入上位ファンドでは、カバードコール戦略をとるファンドやテーマ型ファンドが多く見られ、過去3年以内の新設ファンドのランクインが3本と旬なファンドが目立つが、これらのファンドはポートフォリオ登録件数上位10位にはランクインしていない。
<多角的な視点から分散投資のチェックを>
では、実際にポートフォリオツールを使う場合、どのような機能があるのか。日次の損益の把握ができることに加え、さまざまな視点から自身の持つ資産全体のチェックを行える点が魅力となる。具体的には、資産クラス別、地域・国別、株式・債券スタイル別、コスト、レーティング、リスクリターン分布という7項目において分散がなされているかなどを一目で確認できる。地域別や資産別の分散を見て、自身の資産が特定の人気カテゴリーの商品に偏っていた、リスクリターン分布をみて、リスクの高い資産に70%以上の資産が入っていた、コストの高い商品ばかり持っていた、などの気付きを得ることで思わぬリスクが発見できる。
また、ホームページ上で前述した年代別の人気ランキングを掲載しており、自分と同世代の投資家がどういったものを登録しているのかという情報を参考にすることもできるだろう。積み立て投資を登録できることも利用者にとっては便利な機能となる。
相場の変動率は高まっており、どの資産が上がるか下がるかの予想は難しさを増している。分散投資が改めて重要視されるなか、ご自身のリスク許容内で運用を続けるためにポートフォリオの管理をしっかり行うことが長期投資を成功させる秘訣となるだろう。(吉川裕子)
提供:モーニングスター社