ネット専用「eMAXIS」が「最適化バランス」シリーズ投入で新次元の進化=三菱UFJ国際投信(下)
「eMAXIS」シリーズに、「eMAXIS 最適化バランス」を開始する狙いについて三菱UFJ国際投信の取締役商品部門副部門長・代田秀雄氏に聞いた。
(上)からつづく
――「eMAXIS 最適化バランス」の5つのファンドの特徴は?
各ファンドにサッカーのポジションになぞらえたコース名を付けました。もっとも目標リスク水準の低い6%のファンドは「マイゴールキーパー」で守備に専念。次いで「マイディフェンダー」「マイミッドフィルダー」「マイフォワード」「マイストライカー」です。ファンドの信託報酬は一律で年0.50%(税抜き)としました。
――ロボアドツールの『ポートスター』は、ファンドの販売を行う販社にセットで提供するのですか?
そうです。「eMAXIS」シリーズは、ネット専用なので基本的にファンドの購入時に対面でのアドバイスがありません。投資家の方々が自ら調べて、ご自身の判断で選んでいただくことが基本です。ここに、ネット上のアドバイザーとして活用していただくのが『ポートスター』です。
現在、証券会社や信託銀行ではラップ口座が人気を集め、投資家の投資目的やリスク許容度を相談員が聞き取って、オーダーメードの運用ポートフォリオを提案しています。金融機関によっては数百のファンドの中から、最適な組み合わせでポートフォリオを提案するそうです。「eMAXIS 最適化バランス」は、選択対象こそ5本のファンドですが、選定の過程などはラップ口座と変わりません。ツールを使うことで、圧倒的な低コストでラップ口座のようなサービスを提供することができます。
『ポートスター』5つの質問に答えていただくだけですので、所要時間は1分間足らずです。また、このリスク許容度診断や、最適ポートフォリオを構築するロジックを、あえて外部機関であるイボットソン社にお願いしたことにも意味があります。イボットソン社がロボアドで先行する米国で実績豊富であることもさることながら、ロジックを外部機関に作成いただくことで中立性の確保が可能となり、投資家に向けた適正な情報発信が実現できると考えました。
――「eMAXIS」シリーズの今後の展開は?
「eMAXIS」は、シリーズ初期の頃は、株式や債券などアセットクラスを代表するインデックスを“パーツ(部品)”として低コストで提供しました。この分野は、他の運用会社でも品揃えが進み、低コストのインデックスファンドが広がるきっかけになりました。
「eMAXIS」は、インデックスファンドの価格競争よりも、ラインアップやサービスの領域を広げることを優先しています。もちろん価格競争の重要性は認識しつつ、現在2つの戦略を展開しています。ひとつは、『ソリューション提供戦略』です。「何を買ったらいいかわからない」という投資家の方々にも、抵抗感なく使っていただける機能を付加した商品を投入していきます。この第一歩がロボアド機能つきの「eMAXIS最適化バランス」です。このファンドの信託報酬は税抜きで年0.50%ですので、投資コストの面でも満足度の高いシリーズとして展開できると考えています。
もうひとつは、『ジェネリック戦略』です。1月末に、「先進国リート」に「米国リート」「欧州リート」「豪州リート」という3つの新ファンドを追加しています。これまでの債券・株式といった資産クラスを、対面で残高が大きな商品カテゴリーに細分化して低コストのパッシブファンドとして提供する戦略です。同じように「海外債券」などでも細分化した商品提供は可能だと思います。
インデックスファンドやETFで先行する米国の事例では、比較的オーソドックスな品ぞろえで徹底した低コストを追求しているバンガード社と、多様なラインアップを提供することによって最大のシェアを誇るiシェアーズのブラックロック社の取り組みの違いが際立っています。しかし、「eMAXIS」が指向しているのは、低コストかつ多様性を備えたトータルラインアップの強化であり、より強固なブランドを築き上げていく予定です。
「最適化バランス」シリーズを発表して以来、販社の方々からの反響は大きく、『ポートスター』の仕組みを職域NISAや確定拠出年金(DC)に取り入れられないかというお問い合わせもいただいています。私たちがご提供する機能が、販社の方々のお役に立てるものであれば積極的にご活用いただきたく、一緒になって仕組み作りを進めています。
これからも、「eMAXIS」シリーズは、ネット専用のインデックスファンドシリーズの代表的なブランドであり続けることができるよう、圧倒的なラインアップと、柔軟なソリューリョンを広く投資家の皆様に提供し続けたいと考えています。
提供:モーニングスター社
(上)からつづく
――「eMAXIS 最適化バランス」の5つのファンドの特徴は?
各ファンドにサッカーのポジションになぞらえたコース名を付けました。もっとも目標リスク水準の低い6%のファンドは「マイゴールキーパー」で守備に専念。次いで「マイディフェンダー」「マイミッドフィルダー」「マイフォワード」「マイストライカー」です。ファンドの信託報酬は一律で年0.50%(税抜き)としました。
――ロボアドツールの『ポートスター』は、ファンドの販売を行う販社にセットで提供するのですか?
そうです。「eMAXIS」シリーズは、ネット専用なので基本的にファンドの購入時に対面でのアドバイスがありません。投資家の方々が自ら調べて、ご自身の判断で選んでいただくことが基本です。ここに、ネット上のアドバイザーとして活用していただくのが『ポートスター』です。
現在、証券会社や信託銀行ではラップ口座が人気を集め、投資家の投資目的やリスク許容度を相談員が聞き取って、オーダーメードの運用ポートフォリオを提案しています。金融機関によっては数百のファンドの中から、最適な組み合わせでポートフォリオを提案するそうです。「eMAXIS 最適化バランス」は、選択対象こそ5本のファンドですが、選定の過程などはラップ口座と変わりません。ツールを使うことで、圧倒的な低コストでラップ口座のようなサービスを提供することができます。
『ポートスター』5つの質問に答えていただくだけですので、所要時間は1分間足らずです。また、このリスク許容度診断や、最適ポートフォリオを構築するロジックを、あえて外部機関であるイボットソン社にお願いしたことにも意味があります。イボットソン社がロボアドで先行する米国で実績豊富であることもさることながら、ロジックを外部機関に作成いただくことで中立性の確保が可能となり、投資家に向けた適正な情報発信が実現できると考えました。
――「eMAXIS」シリーズの今後の展開は?
「eMAXIS」は、シリーズ初期の頃は、株式や債券などアセットクラスを代表するインデックスを“パーツ(部品)”として低コストで提供しました。この分野は、他の運用会社でも品揃えが進み、低コストのインデックスファンドが広がるきっかけになりました。
「eMAXIS」は、インデックスファンドの価格競争よりも、ラインアップやサービスの領域を広げることを優先しています。もちろん価格競争の重要性は認識しつつ、現在2つの戦略を展開しています。ひとつは、『ソリューション提供戦略』です。「何を買ったらいいかわからない」という投資家の方々にも、抵抗感なく使っていただける機能を付加した商品を投入していきます。この第一歩がロボアド機能つきの「eMAXIS最適化バランス」です。このファンドの信託報酬は税抜きで年0.50%ですので、投資コストの面でも満足度の高いシリーズとして展開できると考えています。
もうひとつは、『ジェネリック戦略』です。1月末に、「先進国リート」に「米国リート」「欧州リート」「豪州リート」という3つの新ファンドを追加しています。これまでの債券・株式といった資産クラスを、対面で残高が大きな商品カテゴリーに細分化して低コストのパッシブファンドとして提供する戦略です。同じように「海外債券」などでも細分化した商品提供は可能だと思います。
インデックスファンドやETFで先行する米国の事例では、比較的オーソドックスな品ぞろえで徹底した低コストを追求しているバンガード社と、多様なラインアップを提供することによって最大のシェアを誇るiシェアーズのブラックロック社の取り組みの違いが際立っています。しかし、「eMAXIS」が指向しているのは、低コストかつ多様性を備えたトータルラインアップの強化であり、より強固なブランドを築き上げていく予定です。
「最適化バランス」シリーズを発表して以来、販社の方々からの反響は大きく、『ポートスター』の仕組みを職域NISAや確定拠出年金(DC)に取り入れられないかというお問い合わせもいただいています。私たちがご提供する機能が、販社の方々のお役に立てるものであれば積極的にご活用いただきたく、一緒になって仕組み作りを進めています。
これからも、「eMAXIS」シリーズは、ネット専用のインデックスファンドシリーズの代表的なブランドであり続けることができるよう、圧倒的なラインアップと、柔軟なソリューリョンを広く投資家の皆様に提供し続けたいと考えています。
提供:モーニングスター社