「フォルティス中国環境関連株式投信」が設定、中国株式&環境関連運用チームを活用(2)

 フォルティス・アセットマネジメントは09年12月18日、「フォルティス中国環境関連株式投信」(追加型/内外/株式)<200912180D>の設定・運用を開始した。今後の中国の持続的な経済成長に欠かせないとみられる「環境」関連に投資、同時にフォルティス・グループの環境関連テーマ専門の運用チームが助言を行うなど、フォルティス・グループの調査リソースを活用したファンドとなる。

 09年10月15日時点での同ファンドの参考ポートフォリオでは(実際のポートフォリオとは異なる可能性がある)、市場配分ではA株(中国企業・上海や深セン上場銘柄)が33.3%、H株(中国・香港上場銘柄)16.3%、台湾12.0%、香港18.5%、ADR(米預託証券)などその他19.9%と中国関連株式でも投資対象市場は幅広く、さらに中国A株も投資対象としている(当初ポートフォリオ構築時の配分比率は、おおむね3分の1程度とする)。

 環境テーマ別の配分で見ると、クリーンエネルギー関連が38.1%、エネルギー効率向上28.4%とエネルギー関連の銘柄が多くを占める。一方、セクター配分でみると、一般資本財44.7%、テクノロジー22.2%、公益14.9%、素材13.6%となっており、通常の中国株式に投資するファンドでは比較的高い構成比率となる「金融」セクターの銘柄が含まれていないことも特徴となる。

 中国経済は過去も高い成長を続けてきたが、将来的にも高い成長を続ける見込みであり、2030年にはGDP(国内総生産)の世界全体に占める割合は19.3%、一次エネルギー消費に至っては世界全体の23.0%を占めることが予想されるという(EIA<国際エネルギー機関>データより)。

 一方で、中国の一次エネルギー消費の約70%は石炭で占められるというバランスを欠く構成のなか、「すでに備蓄の問題が出ており、石炭でさえ輸入に頼る状況にある。国家としてエネルギー問題を考えていかざるを得ない」(投信営業部)という。中国政府は再生可能エネルギーの中・長期発展計画を07年9月に発表。20年には総エネルギーに対する再生可能エネルギーの比率を15%(05年の実績では7.5%)に高める計画を打ち出している。投資額は総額2兆元に上り、特に水力発電への投資額が大きくなるという。

 また、エネルギー効率の点で中国は現状で同じ経済価値を生み出すために日本のおよそ9.3倍、世界全体では3.2倍のエネルギーを消費する構造となるなど、エネルギー効率面でも世界に追いつかなければならない状況にある。また、中国では水不足、水質汚染が深刻であり、「これ以上放置しておくと、社会問題化する」(同)レベルにある。環境関連企業の規模も年々大きくなっているといい、特に09年10月に取引が開始された中国の新興企業向け市場「創業板」では28社が初上場したが、うち5銘柄程度が環境関連企業とされており、「(環境関連企業への)関心は高まっている」(同)という。
提供:モーニングスター社
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