「宇宙」関連のファンドが3か月で7本設定!投資銘柄の特徴は?

 宇宙関連ビジネスを主要投資対象とするファンドの設定が相次いでいる。ファンド名に「宇宙」、「スペース」の名称を含むファンドは2018年7月までは1本も存在しなかったものの、2018年8月以降「eMAXIS Neo 宇宙開発」<2018080602>、「グローバル・スペース株式ファンド(年1回決算型)」<2018081301>、「東京海上・宇宙関連株式ファンド」<2018091201>、「ニッセイ 宇宙関連グローバル株式(年2回・H無)」<2018110202>及び決算回数、為替ヘッジの有無が異なる同シリーズの3ファンドが設定されており、計7ファンドとなった。

これらの全てのファンドが「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」もしくは「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジあり)」のカテゴリーに属しており、グローバルな企業を投資対象とすること、実際には運用期間が短く月報などで実際のポートフォリオが公表されていない「ニッセイ 宇宙関連グローバル株式」シリーズを除く3ファンドがともに米国の企業に対する投資割合が2018年10月末時点で7割以上となるなど、実際の宇宙産業の米国市場規模に対して高い投資割合となっている。

「eMAXIS Neo 宇宙開発」は米国Kensho社が算出する「Kensho Space Index(配当込み、円換算ベース)」への連動を目指すインデックスファンドであるほか、その他の3シリーズはアクティブファンドでかつベンチマークを設定していないものの、いずれのファンドも米国の運用会社に実際の運用を委託、もしくは投資助言を受けて運用を行う体制となっている点も米国への投資割合が高い一因となっていると思われる。

 民間企業による宇宙ビジネスそのものは必ずしも最近始まったわけではないものの、2018年秋以降に新ファンドの設定が相次ぐ背景としては、人工衛星需要の拡大やそれに伴うデータ活用のニーズの高まりなどによって宇宙ビジネスのすそ野が広がってきたことも要因となっていると考えられる。

ただし、2018年10月末時点で先に述べた3ファンドが共通して上位10位以内の組み入れを行う銘柄が『ロッキード・マーチン』『ボーイング』となっているように、航空産業、防衛産業、もしくは情報産業などの影響を強く受けやすい傾向があるので、投資を行う際には隣接する業界の動向についても注意を払いたい。
提供:モーニングスター社
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