欧州ハイイールド債が軟調、金融セクターの高ウエート響く
欧州ハイイールド債の軟調推移が続いている。同市場の代表的な指数「ICE BofAML Euro High Yield Index」(配当込、ドルベース)の今年7月末から足元(12月10日)までの下落率は6.7%となった。米ハイイールド債市場の代表的な指数「ICE BofAML US High Yield Index」(配当込、ドルベース)の下落率1.6%を大きく上回っている。
国内公募追加型株式投信を対象に、モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債」に属するファンドの中で、ファンド名に「欧州」を含む42ファンドの2018年11月末時点の純資産残高を同7月末時点と比べると12.32%減少した。減少率は「国際債券・ハイイールド債」全体の10.91%を上回っている。個別では、「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)」<2011102709>や「DWS欧州ハイ・イールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)(毎月分配型)」<2010063005>などの通貨選択型ファンドが減少額で上位となった。
背景には、8月にトルコの通貨リラの急落を受けて欧州金融機関への悪影響が警戒されたほか、Brexit(英国のEUからの離脱)を巡る混乱や燃料税増税を巡るフランスでのデモなど政治リスクが高まっていることを受けて、リスク回避の動きが続いていることがある。
米国ハイイールド債市場も10月から11月にかけての原油価格急落が響いたが、両市場の下落に差の背景には、組入ウエイトの差がある。12月11日時点の両指数の組み入れウエートを比較すると、「Euro High Yield Index」では、金融が16.9%を占め、中でも銀行が10.2%と高い。エネルギーは3.2%に留まる。対して、「US High Yield Index」はエネルギーが15.7%と高く、金融は8.0%(銀行は2.3%)に留まる。米ハイイールド債がエネルギー分野の影響を受けやすい構造であるのに対して、欧州ハイイールド債は金融分野の影響が大きく、リラショックを受けた域内金融機関への警戒感がより響いたと言える。
イギリスで、11日に予定されていたEU(欧州連合)からの離脱条件を定めた協定案の議会採決が急遽延期されるなど、欧州の政治的混乱は収まりそうにない。リスク回避の動きは強まると見られ、欧州ハイイールド債券は当面厳しい状況となりそうだ。
提供:モーニングスター社
国内公募追加型株式投信を対象に、モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債」に属するファンドの中で、ファンド名に「欧州」を含む42ファンドの2018年11月末時点の純資産残高を同7月末時点と比べると12.32%減少した。減少率は「国際債券・ハイイールド債」全体の10.91%を上回っている。個別では、「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)」<2011102709>や「DWS欧州ハイ・イールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)(毎月分配型)」<2010063005>などの通貨選択型ファンドが減少額で上位となった。
背景には、8月にトルコの通貨リラの急落を受けて欧州金融機関への悪影響が警戒されたほか、Brexit(英国のEUからの離脱)を巡る混乱や燃料税増税を巡るフランスでのデモなど政治リスクが高まっていることを受けて、リスク回避の動きが続いていることがある。
米国ハイイールド債市場も10月から11月にかけての原油価格急落が響いたが、両市場の下落に差の背景には、組入ウエイトの差がある。12月11日時点の両指数の組み入れウエートを比較すると、「Euro High Yield Index」では、金融が16.9%を占め、中でも銀行が10.2%と高い。エネルギーは3.2%に留まる。対して、「US High Yield Index」はエネルギーが15.7%と高く、金融は8.0%(銀行は2.3%)に留まる。米ハイイールド債がエネルギー分野の影響を受けやすい構造であるのに対して、欧州ハイイールド債は金融分野の影響が大きく、リラショックを受けた域内金融機関への警戒感がより響いたと言える。
イギリスで、11日に予定されていたEU(欧州連合)からの離脱条件を定めた協定案の議会採決が急遽延期されるなど、欧州の政治的混乱は収まりそうにない。リスク回避の動きは強まると見られ、欧州ハイイールド債券は当面厳しい状況となりそうだ。
提供:モーニングスター社