インド中銀総裁辞任と地方選での与党敗北、インド債券ファンドへの影響は?
インド準備銀行(中央銀行)のパテル総裁が10日辞任した。辞任の理由を個人的な事情としているものの、以前から規制緩和、金融緩和を求めるモディ政権との対立が続いていたこともあり、インド経済に影響を与えるのではとの懸念が広がったことで一時的に株安、債券安、ルピー安のトリプル安の状況となった。後任人事にはモディ首相に近いダス氏が就任することが発表されて、金融緩和方向に舵を切るのではという見方もあるものの、中央銀行の独立性に対する懸念の高まりもあって12日のインドルピーは円やドルなど主要通貨に対して引き続き下げる展開となっている。
現状のインド経済はこれまで高い成長力で投資を引き付けてきた。11月末に発表した7−9月期国内総生産(GDP)は前年同期比7.1%増と、4−6月期の8.2%増と比べるとやや減速したものの、7%を超える経済成長は新興国の中でも高い水準である。
11月末時点で、ファンド名に「インド」を含む国内公募追加型株式ファンドで、かつモーニングスターカテゴリーが「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」に属するファンドは19本あり、純資産残高は4000億円を超えている。その内同月末時点で5年以上の運用実績を有するファンドは7本ある。過去5年間のシャープレシオは全ファンドがカテゴリー内で上位12%以内となっており、トップクラスの運用効率となっている。
同期間中ルピーは円に対して0.6%円安となりわずかに下がっているものの、中国人民元、ブラジルレアル、ロシアルーブルがそれぞれ、対円で2.79%、17.33%、44.84%下げており、相対的にみると通貨安が抑制されている点も運用成績の高さに寄与した。
11日にはインド地方選挙において経済重視で臨んできたモディ首相率いる与党が主要3州で敗北しており、高成長を持続してきたインドでも政治的な逆風にさらされることが予想される。ただし2012年3月に地方選で当時の与党が敗北した際には、2か月後に世界的なリスク回避の動きが広まったこともあって、当時運用がスタートしていた4本の「インド」債券ファンドは、一時リターンがマイナスとなったものの、同年後半には良好なファンダメンタルズなどへの見直しから早期にプラスに転じており、今回もマイナスが一時的なものになるかが注目される。
提供:モーニングスター社
現状のインド経済はこれまで高い成長力で投資を引き付けてきた。11月末に発表した7−9月期国内総生産(GDP)は前年同期比7.1%増と、4−6月期の8.2%増と比べるとやや減速したものの、7%を超える経済成長は新興国の中でも高い水準である。
11月末時点で、ファンド名に「インド」を含む国内公募追加型株式ファンドで、かつモーニングスターカテゴリーが「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」に属するファンドは19本あり、純資産残高は4000億円を超えている。その内同月末時点で5年以上の運用実績を有するファンドは7本ある。過去5年間のシャープレシオは全ファンドがカテゴリー内で上位12%以内となっており、トップクラスの運用効率となっている。
同期間中ルピーは円に対して0.6%円安となりわずかに下がっているものの、中国人民元、ブラジルレアル、ロシアルーブルがそれぞれ、対円で2.79%、17.33%、44.84%下げており、相対的にみると通貨安が抑制されている点も運用成績の高さに寄与した。
11日にはインド地方選挙において経済重視で臨んできたモディ首相率いる与党が主要3州で敗北しており、高成長を持続してきたインドでも政治的な逆風にさらされることが予想される。ただし2012年3月に地方選で当時の与党が敗北した際には、2か月後に世界的なリスク回避の動きが広まったこともあって、当時運用がスタートしていた4本の「インド」債券ファンドは、一時リターンがマイナスとなったものの、同年後半には良好なファンダメンタルズなどへの見直しから早期にプラスに転じており、今回もマイナスが一時的なものになるかが注目される。
提供:モーニングスター社