ネットだけじゃない―メガ・大手証も低コスト台頭、SMBC「つみたて」異例の大量投入
ネット証券に遅れていたメガバンクや大手証券での低コスト投信への取り組みが進んでいる。SMBC日興証券は7月3日からネット取引で「つみたてNISA」を利用できるようにする。注目は、業界最多水準とされる147本の幅広いラインアップだ。ETF(上場投資信託)を除く、金融庁が認可するつみたてNISA対象商品174本の8割以上をカバーする。
信託報酬等(税込)が0.1%を下回る超低コストの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」をはじめ、ネット証券並みの豊富な品ぞろえだ。つみたてNISAの取り扱い本数は各社まちまちで、例えばみずほ銀行は5本、三菱UFJ銀行は12本などとなる。多ければ良いというわけではないが、他社との比較でもSMBC日興証券の取り扱い本数は群を抜いている。
低コストファンドへのニーズに応える動きは、つみたてNISAにとどまらない。三菱UFJ銀行が業界最安値を掲げる「eMAXIS Slim」シリーズをネット取引用に“解禁”してから1年が経つ。同社の販売額ランキング(5月)を見ると、いまやトップ10のうち、第2位となった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を含め同シリーズが3本もランクイン。Slim以外も含む「eMAXIS」シリーズ全体で見ると6本がトップ10に入っている。アクティブファンドは国内最大の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」の7位が最上位で、パッシブの台頭が著しい。
同様にみずほ銀行の販売状況を見ると、ネット取引以外の5月の販売額ランキングでは、「G・ハイクオリティ成長株式F(H無)」と「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド」が第1位、第2位と、アクティブファンドも存在感を発揮している。特に「ティー・ロウ」はみずほ銀行とみずほ証券専用の注力ファンドの1つで、5月は国内投信(ETF除く)全体の中でも純資金流入額が最大となった売れ筋だ。
ただし、そうしたトップセラーでも、ネット取引のみを対象とした同社ランキングを見ると、第4位にとどまる。トップ3を占めるのは、「日経225ノーロードオープン」「たわらノーロード 日経225」「たわらノーロード NYダウ」とやはりパッシブ勢だ。
3月には、野村證券のつみたてNISAファンドとして、期間限定ではあるものの信託報酬がゼロの「野村 スリーゼロ先進国株式投信」が設定され、コスト競争における大手証券の動きが一段と注目されるようになった。
金融庁が定めた投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIの1つとして、コストとリターンの関係の開示が求められるなど、コストに見合った成果を上げる商品を取りそろえているかは「顧客本位」の観点でいっそう重要性を増している。
さらに、米国の例を挙げるまでもなく、日本でもインデックスファンドシリーズで残高1000億円を超えるファンドが相次ぐなど、市場としてもはや無視できない規模になりつつあるとの認識もありそうだ。
提供:モーニングスター社
信託報酬等(税込)が0.1%を下回る超低コストの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」をはじめ、ネット証券並みの豊富な品ぞろえだ。つみたてNISAの取り扱い本数は各社まちまちで、例えばみずほ銀行は5本、三菱UFJ銀行は12本などとなる。多ければ良いというわけではないが、他社との比較でもSMBC日興証券の取り扱い本数は群を抜いている。
低コストファンドへのニーズに応える動きは、つみたてNISAにとどまらない。三菱UFJ銀行が業界最安値を掲げる「eMAXIS Slim」シリーズをネット取引用に“解禁”してから1年が経つ。同社の販売額ランキング(5月)を見ると、いまやトップ10のうち、第2位となった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を含め同シリーズが3本もランクイン。Slim以外も含む「eMAXIS」シリーズ全体で見ると6本がトップ10に入っている。アクティブファンドは国内最大の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」の7位が最上位で、パッシブの台頭が著しい。
同様にみずほ銀行の販売状況を見ると、ネット取引以外の5月の販売額ランキングでは、「G・ハイクオリティ成長株式F(H無)」と「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド」が第1位、第2位と、アクティブファンドも存在感を発揮している。特に「ティー・ロウ」はみずほ銀行とみずほ証券専用の注力ファンドの1つで、5月は国内投信(ETF除く)全体の中でも純資金流入額が最大となった売れ筋だ。
ただし、そうしたトップセラーでも、ネット取引のみを対象とした同社ランキングを見ると、第4位にとどまる。トップ3を占めるのは、「日経225ノーロードオープン」「たわらノーロード 日経225」「たわらノーロード NYダウ」とやはりパッシブ勢だ。
3月には、野村證券のつみたてNISAファンドとして、期間限定ではあるものの信託報酬がゼロの「野村 スリーゼロ先進国株式投信」が設定され、コスト競争における大手証券の動きが一段と注目されるようになった。
金融庁が定めた投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIの1つとして、コストとリターンの関係の開示が求められるなど、コストに見合った成果を上げる商品を取りそろえているかは「顧客本位」の観点でいっそう重要性を増している。
さらに、米国の例を挙げるまでもなく、日本でもインデックスファンドシリーズで残高1000億円を超えるファンドが相次ぐなど、市場としてもはや無視できない規模になりつつあるとの認識もありそうだ。
提供:モーニングスター社