国内REITファンド、資金流出続く中で「選好されやすい資産クラス」との見方浮上

 国内REITファンドからの資金流出が続いている。モーニングスターカテゴリー「国内REIT」に属するファンド(ETF除く)は2021年4月に164億円の純資金流出と14カ月ぶりの流出超過となったのに続き、5月も125億円の純資金流出となった。モーニングスター推計によると6月も28日時点で170億円を超える純資金流出となっている。直近のJ−REITの急ピッチな戻しを受けた利益確定売りが出ているとも見られるが、市場では、今後の資産形成において「選好されやすい資産クラス」との見方も出てきた。今後の資金動向に変化が生じるか、注目したい。


 J−REITの市場価格は今年に入ってから力強い戻りが続いている。東証REIT指数の6月28日時点の年初来上昇率は20.95%と世界的なREITの値動きを示す「S&PグローバルREITインデックス(米ドルベース)」の16.74%を上回り、株式に対しては、「NYダウ」の12.01%、「日経平均株価」の5.84%を大幅に上回っている。J−REITの戻りの背景には、ワクチン接種などコロナ対策の進展による景気回復期待がある。その点は株式市場と同様だが、コロナショック時の不動産市場に対する過度な悲観から下落幅が株式を上回ったほか、その後の戻りが株式よりも遅れたことから、今年に入ってからの戻りが相対的に優位になっている。

 フィデリティ投信は6月28日に公表したレポート「選好される国内不動産への投資−改めてポートフォリオに加えたいJリート−」において、J−REITが「国内外の主要資産と比べても選好される投資環境に転じてきている」との見方を示している。さらに、「今後の資産形成を考えていく上では、インフレが高まる場合、低位安定する場合とで各々対応を考慮することが重要になってくる」とした上で、インフレが高まる場合には、「不動産という実物資産を保有するJリートはインフレヘッジ資産として選好」されやすく、インフレが低位安定する場合には、「引き続きJリートの相対的に高い利回りが投資家の注目を引きつける」として、「Jリートは、好利回り資産としての特性とインフレヘッジ資産としての特性をあわせ持っているため、いずれも場合においても選好されやすい資産クラス」であるとしている。
提供:モーニングスター社
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