パッシブは低コスト、アクティブは高コストファンドにも資金流入−21年フィーレベル別資金フロー(1)

 2021年の国内ファンドの資金フローは大幅な純資金流入となったが、コスト水準に基づいて見ると、パッシブファンドで低コスト志向が鮮明であったのに対して、アクティブファンドでは、先進国を中心とした世界株高を背景に、多少コストが高くとも、それ以上のリターンを追求する動きが見られた。

 モーニングスターでは17年8月から「フィーレベル」を公表している。フィーレベルは、アクティブファンドはアクティブファンド、パッシブファンドはパッシブファンドの中におけるコストの相対的な水準を示すものである。投資先資産とアクティブ・パッシブ別から設定したカテゴリーにファンドを分類し、ファンドのコストが所属するカテゴリー内でどの水準にあるのかを、コスト水準の低い順に「安い」「平均より安い」「平均的」「平均より高い」「高い」の5段階で示す。

 2021年は、「安い」から「高い」までの5段階すべてで純資金流入となった。純資金流入額は、「安い」が2兆7724億円、「平均より安い」が2兆7593億円、「平均的」が4164億円、「平均より高い」が1兆1563億円、「高い」が2648億円となった。前年との比較では、「安い」が前年比約3.9倍、「平均より安い」は同約3.2倍に拡大した一方で「平均的」は同49.1%減となり、「平均より高い」と「高い」は前年の純資金流出から流入に転換した。

 最もコスト水準の低い「安い」のけん引役はパッシブファンド。「安い」に属するパッシブファンドは2兆644億円の純資金流入となり、アクティブも含めた「安い」全体の純資金流入額(2兆7724億円)の74.5%を占めた。パッシブ合計の純資金流入額2兆5714億円に対しても「安い」は80.3%を占めており、パッシブにおける低コスト志向が表れている。

 個別ファンドで見ても、アクティブも含めた「安い」に属する全ファンドにおける純資金流入額の上位4位までを、トップの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」から順に「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))とパッシブファンドが独占。4ファンド合計の純資金流入額は1兆2652億円とアクティブも含めた「安い」全体(2兆7724億円)の45.6%となった。(2)へつづく
提供:モーニングスター社
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