パッシブは低コスト、アクティブは高コストファンドにも資金流入−21年フィーレベル別資金フロー(2)

(1)からつづく

 「平均より安い」ではアクティブファンドがけん引役となった。「平均より安い」に属するアクティブの純資金流入額は2兆5211億円となり、パッシブも含めた全体(2兆7593億円)に占める割合は91.4%に達した。中でも「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」シリーズへの流入が際立っており、パッシブも含めた「平均より安い」に属する全ファンド内で純資金流入額トップとなった「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」および上位となった「Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」「Bコース(為替ヘッジなし)」を合計した純資金流入額は1兆4227億円とパッシブも含めた全体(2兆7593億円)の51.6%となった。同シリーズは米国株高の中で資金が集まったが、相対的なコストの低さも支援材料となった。

 「平均より高い」をけん引したのもアクティブファンドだ。「平均より高い」に属するアクティブの純資金流入額は1兆1202億円となり、パッシブも含めた全体(1兆1563億円)の96.9%を占めた。パッシブも含めた「平均より高い」に属する全ファンドにおける純資金流入額トップは「グローバルAIファンド(予想分配金提示型)」第2位は「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略ファンド」となった。米国を中心とした先進国株高を背景に、「AI」や「カーボンニュートラル」など人気テーマのファンドの一角に、相対的なコストが多少高くともリターンを追求する資金が向かった。

 「高い」においても、「高い」に属する全個別ファンドの純資金流入額上位に「ベイリー・ギフォード世界成長企業戦略/SMT.LN外国投資証券ファンド」(愛称:クロスオーバー・グロース)、「GS 米国成長株集中投資ファンド毎月決算コース」などが入っており、コスト以上のリターンを求める資金が向かったと見られる。一方で、トップは「投資のソムリエ」第2位は「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」(クアトロ)と、分散投資による「負けない運用」を掲げるバランス型2ファンドとなった。終息の兆しを見せない新型コロナウイルスや米金融政策正常化の動きに世界経済が揺れる中、安定運用を志向する投資家のニーズを集めたと見られる。
提供:モーニングスター社
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