NYダウが今年最大の下落、米国株式と連動性の低いカテゴリーは?
17日の米国株式市場でNYダウが前日比622ドル安となった。下落幅、下落率ともに今年最大で、年初からの下落率は5.58%となった。米国株式は、利上げや保有資産の縮小(QT)といった米金融政策の正常化に対する警戒感を受けて年明けから軟調推移が続き、ここにきてウクライナ情勢の緊迫化が一段の重しとなっている。世界の株式市場をリードしてきた米国株式の先行きに黄信号が灯り始めている。
米国株式ファンドの相関係数を調べた。2021年12月までの過去5年間の月次リターンに基づき、米国株式に投資するモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」とその他のカテゴリー(ブル・ベア型除く、本数10本未満のカテゴリー除く)との相関係数を確認した。相関係数とは、2つのデータ間の連動性を1−−1までの範囲で示したもので、1に近いほど連動性が高く、0は無関係、−1に近いほど逆の動きをするとされる。−1に近いカテゴリーは「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」と逆の値動きをすることとなり、同カテゴリーのパフォーマンスが低調となる場合には、その影響を和らげる効果が見込まれる。
結論としては、相関係数がマイナスとなったカテゴリーは存在しなかった。プラスの小さい順に3カテゴリーを見ると、0.05の「国内債券・中長期債」0.16の「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」0.45の「国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし)」となったが、連動性が低い低相関は「国内株式・中長期債」「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」の2カテゴリーまでと言えよう。
一方、プラスの大きな高相関のカテゴリーを見ると、日本を含む先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」および「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」が0.98、「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」が0.96となった。「バランス」が0.96、「安定成長」「成長」が0.94となるなどバランス型の相関も高い。「国内大型グロース」「国内大型ブレンド」が0.80となるなど国内株式型も高相関となった。
ここ数年の世界的な株高を受けて各資産間の値動きの連動性が高まっていることを考えると、分散投資を考えた場合に、米国株式との相関性が低かった国内債券、日本を除く先進国の債券に投資する両カテゴリーは無視できない存在と言える。米国株式の下落基調が続く場合に備えて、意識しておきたい。
提供:モーニングスター社
米国株式ファンドの相関係数を調べた。2021年12月までの過去5年間の月次リターンに基づき、米国株式に投資するモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」とその他のカテゴリー(ブル・ベア型除く、本数10本未満のカテゴリー除く)との相関係数を確認した。相関係数とは、2つのデータ間の連動性を1−−1までの範囲で示したもので、1に近いほど連動性が高く、0は無関係、−1に近いほど逆の動きをするとされる。−1に近いカテゴリーは「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」と逆の値動きをすることとなり、同カテゴリーのパフォーマンスが低調となる場合には、その影響を和らげる効果が見込まれる。
結論としては、相関係数がマイナスとなったカテゴリーは存在しなかった。プラスの小さい順に3カテゴリーを見ると、0.05の「国内債券・中長期債」0.16の「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」0.45の「国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし)」となったが、連動性が低い低相関は「国内株式・中長期債」「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」の2カテゴリーまでと言えよう。
一方、プラスの大きな高相関のカテゴリーを見ると、日本を含む先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」および「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」が0.98、「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」が0.96となった。「バランス」が0.96、「安定成長」「成長」が0.94となるなどバランス型の相関も高い。「国内大型グロース」「国内大型ブレンド」が0.80となるなど国内株式型も高相関となった。
ここ数年の世界的な株高を受けて各資産間の値動きの連動性が高まっていることを考えると、分散投資を考えた場合に、米国株式との相関性が低かった国内債券、日本を除く先進国の債券に投資する両カテゴリーは無視できない存在と言える。米国株式の下落基調が続く場合に備えて、意識しておきたい。
提供:モーニングスター社