日興AMが「SMBC・日興 世銀債ファンド」を2月19日に設定、世銀の「グリーンボンド」などに投資

 日興アセットマネジメントは2月19日、世界で初めての世銀債の一種である「グリーンボンド」に投資する「SMBC・日興 世銀債ファンド(愛称=世界銀行グリーンファンド)」(追加型/海外/債券)の設定・運用を開始する。世界銀行との協同開発ファンドとなる。販売会社は三井住友銀行、日興コーディアル証券。毎月20日決算(初回決算は10年3月23日)。また、日本の公社債などで運用される「日興マネー・アカウント・ファンド」(追加型/国内/債券)も同時に設定され、無料でのスイッチングが可能な仕組みとなっている。

 「SMBC・日興 世銀債ファンド」は、ケイマン籍の円建て外国投資信託を通じ、相対的に利回りの高い各国通貨建ての世界銀行債券(世銀債)を中心に投資する。主要投資対象の外国投資信託の運用は日興アセットマネジメント ヨーロッパ リミテッドが担当する。日興AMでは、世銀債に投資する「世界銀行債券ファンド(毎月分配型)(愛称=ワールドサポーター)」の設定・運用をすでに行っており、純資産総額は1678億円超(1月末時点)に達している。この「ワールドサポーター」の運用も日興アセットマネジメント ヨーロッパ リミテッドが担当、外国債券運用での定評に加え、世銀債の運用経験を生かす。グローバル債券運用チームは6人で構成されている(専任は5人)。

 今回の「SMBC・日興 世銀債ファンド」では、世銀債のなかでも特に「グリーンボンド」に注目した投資を行い、原則として「グリーンボンド」の組入比率は30%以上を目指す仕組みとなっている。また、単一通貨への投資比率は20%程度を上限とし、原則為替ヘッジは行わない。
 投資対象の「グリーンボンド」は、世界銀行の発行する債券の一種で、この債券発行による調達資金は原則新興国での地球温暖化防止対策プログラムへの貸し付けのみに利用されるなど、資金の用途が「温暖化防止」に限定されているところに特徴がある。利回りでは通常の世銀債と同水準にあり、「リスクリターンでみた場合に、通常の世銀債と『グリーンボンド』はほとんど変わらない」(商品企画部)という。

 「グリーンボンド」は2008年に初めて発行されるなど発行実績はまだ少ないが、世界的な機関投資家が購入しており、日本でも個人投資家向けに発行されている。地球温暖化防止に向けた取り組みが急がれるなか、資金の調達面で難のある新興国の地球温暖化対策や環境開発を支援することになり、「世界的にも投資家にSRI(社会的責任投資)への意識が高まっており、『グリーンボンド』は投資目的が明確化されていることから、これから注目を浴びる可能性がある」(同)との見方だ。
 一般的な投資家にはまだなじみのない債券ではあるが、日興AMでは過去に「ワールドサポーター」を世界銀行と共同開発した実績があり、世界銀行ともパイプを有しており、今後の「グリーンボンド」の発行状況についても特に不安はないという。さらに、世銀債の格付け自体も高いことから、流動性への懸念も少ないという。
 09年12月29日時点でのモデルポートフォリオでは、投資対象通貨の構成は新興国が70%、先進国30%と新興国が中心となっている。対象通貨別では、トルコ・リラ14.0%、ブラジル・レアル13.5%、メキシコ・ペソ11.0%が上位となっている(あくまで参考値であり、実際の組み入れと異なる可能性がある)。「相対的に利回りの高い通貨建ての債券に幅広く投資する。トップダウンにより通貨のアロケーションを決定し、比率も機動的に上下する」(同)という。

主な購入費用など
 販売単位:20万円以上1円単位(三井住友銀行)、10万円以上1円単位(日興コーディアル証券)
 申込手数料(上限、税込み):3.15%
 信託報酬率(年、税込み):1.255%程度
 信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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