キャッシュフロー重視を訴えはじめた「転向者」のファンドマネージャーに要注意=米モーニングスター

 各国株式が急激に下落する中で、多くの投資信託の運用マネージャーは、バランスシートが健全で、フリー・キャッシュフローが安定している企業に投資するのが最も安全だという答えにたどり着いた。確かに、有り余るほどの大量の現金を稼ぎ出す企業に投資すればリスクは低下する。多くの大手投信は、痛手を受けた金融銘柄を処分する一方で、コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル、コルゲート・パルモリーブなどの優良な一般消費財銘柄に投資している。しかし、株式の急落を受けてこうしたキャッシュフロー戦略を取り始めた「転向者」のファンドマネージャーには十分気を付ける必要がある。過去に、キャッシュフローを重視した銘柄選択にあまり積極的でなかった投信は、株式市場が安定してくると、キャッシュフローを重視しなくなる可能性があるからだ。
 したがって、株式市場の好不調にかかわらず、絶えずキャッシュフローを最優先の投資基準としている投信はどこかを見極めることが重要になってくる。どこのファンドが最もキャッシュフロー戦略を重視しているかは、セールストークよりも過去のポートフォリオの保有銘柄を確認すれば一目瞭然だ。
 キャッシュフローを最大の投資判断の材料としている投信としては、バリューファンドのトウィーディ・ブラウン・バリューがある。この投信のポートフォリオは、ここ数年間、世界的な総合飲料メーカーのディアジオやケーブルテレビ大手のコムキャストなどの多くのキャッシュフローを稼ぎ出す銘柄で埋め尽くされている。この他にも、現金保有が豊富な企業に好んで投資する、まさに、“キャッシュリッチ企業投資における申し子”的な存在のヨットマン・ファンドを始め、現金を稼ぎ出す能力が高ければ大型株だけでなく無名企業にも投資するルーミス・セイルズ・バリュー、そして、キャッシュフローと成長性、マクロ分析を組み合わせて投資するフェデレーテッド・キャピタル・アプリシエーションなど様々なタイプがある。(2008年11月20日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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