3つの収益源を活用する「楽天 USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」

 楽天投信投資顧問は8月31日、USリート(不動産投資信託)、ブラジル・レアルによる為替戦略、「インカムプラス戦略」という3つの収益源を活用するファンド「楽天 USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」<2010083108>の設定・運用を開始した。販売会社は楽天証券、楽天銀行、東武証券、光世証券。毎月(17日)決算。

 「楽天 USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」は、主に米国のリート指数に連動するETF(上場投資信託)の投資信託証券と、対円でのブラジル・レアルのパフォーマンスを反映するユーロ円債に投資する。米国リートETFの配当に加えて、レアルに投資する効果、さらにインカムプラス戦略という3つの戦略での収益を目指す。投資対象のユーロ円債については、バークレイズ・バンク・ピーエルシーが発行するリート連動債に投資する予定。実質的な投資対象は、設定当初においてはiシェアーズ ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス・ファンドとなる。iシェアーズ ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス・ファンドは、米国不動産の値動きを示す指数として一般的なダウ・ジョーンズ米国不動産インデックスの価格と利回りの実績におおむね連動する投資成果を目指すETFとなる。

 さらに、ブラジル・レアル戦略として、バークレイズ・キャピタルが開発したブラジル・レアル指数を活用することで、ブラジル・レアルへの投資効果を狙う。米国リートETFに加えて、実質的にブラジル・レアルに投資することで利息収入を高める仕組みを整えている。ブラジル・レアル指数の実際の取引については、円売り/ブラジル・レアル買いの1カ月物の外国為替先物取引を毎月行い、その1カ月後の円/ブラジル・レアルの為替レートで清算するという取引を継続して得られる損益を指数化したもので、この損益を投資対象のリート連動債のパフォーマンスに反映する。

 また、インカムプラス戦略(カバードコール戦略)で安定的な収益の確保を目指す。米国リートETF部分の値上がり益については、3カ月毎に設定されるETFの目標価格を上限としている。ETFの目標価格は期待される利回り水準などを参考に決定され、米国リートETFが目標価格を上回っても、目標価格を上回った部分の値上がり益は享受できない仕組みとなっている。一方で、このインカムプラス戦略(コールオプション売りを行うことによるオプションプレミアム)によるインカムの上乗せが期待できることになる。

 このインカムプラス戦略を採用するにあたり、リートを実際の投資対象とした背景については、リート市場がサブプライム(信用度の低い顧客向け)ローン問題や、リーマン・ショックを経て大きく調整したことから、ダウンサイドリスクが比較的小さいのではないかとの見方に加えて、安定的な一定程度のインカムも期待できることがある。「投資家が理解しやすく、これまでのファンドにあまり見られない仕組みを考えている。さらに、ファンドの収益以上の配当は行いたくないとの考えから、この仕組みを採用した」(大島和隆・代表取締役社長)という。また、同種のブラジル・レアルによる為替差益を狙う毎月分配型のファンドが投資家の人気を集めていることから、「楽天 USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」も投資家の関心を呼んでいるようだ。

主な購入費用など
購入時手数料(税込み、上限):3.15%
運用管理費用(信託報酬率、年、税込み):1.47%
信託財産留保額:0.75%
提供:モーニングスター社
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