野村AMの「野村 日本国債プラス」――日本債への投資に加え、債券先物・外国為替予約取引を活用

 野村アセットマネジメントは8月26日、日本債への投資に加え、債券先物取引と外国為替予約取引を活用する「野村 日本国債プラス」(追加型投信/国内/債券/特殊型)<2010082601>の設定・運用を開始した。販売会社はみずほ銀行。9月3日時点での純資産額は6億1200万円。毎月(原則、7日)決算。

 「野村 日本国債プラス」は、日本の国債を主要投資対象とする。原則として、国債の残存期間を0年から3年程度、3年から6年程度、6年から9年程度、9年から12年程度、12年から15年程度の5ブロックに分割し、各ブロックへの投資金額をほぼ同額程度とするラダー型運用という手法を採用している。

 日本国債への投資については、社債も含めた日本の債券全体の値動きを示すインデックスなどに連動する、もしくはこれを上回る運用を目指すケースがあるが、このファンドは、国債の残存期間別の保有を均一にすることで、「わかりやすさ」を狙った商品設計となっている。同時に、残存年数を短期から超長期まで5ブロックとすることで、金利変動リスクの分散を図っている。さらに、野村AMのグローバルでの運用力を活用し、日本を含む世界各国の債券先物取引と為替予約取引等を活用し、日本を含む世界各国の金利や為替のロング・ポジション(買いポジション)とショート・ポジション(売りポジション)を組み合わせることによって、付加価値の獲得を目指す仕組みとなっている。先物取引等で必要となる証拠金(損失担保のための資金)は、原則、信託財産の純資産額の5%以内となるように制限している。

 日本の投信市場では、足元での円高進行とともに、円債に投資するファンドへの資金流入が話題となっている。今回、野村AMが日本債に投資するファンドを設定した背景については、独自の投資家への意識調査のなかで浮かび上がってきた「低リスク商品」への顧客ニーズの高さがある。アンケート結果からは、「許容リスクは5%未満という回答が一番多い」(野村アセットマネジメント)と、低リスク志向がうかがえるという。

 08年のリーマン・ショック以前には、世界のソブリン債に投資するファンドが新規顧客の受け皿となり、ファンドの純資産規模を拡大させたが、その後先進国の債券利回り低下が顕著になり、「利回り」の魅力が低下すると同時に、「円高」といった為替リスクも意識されるようになってきた。こうした状況を受け、投資家の求めるニーズと合致するリスク・リターンを提供できると思われる「野村 日本国債プラス」の設定に至ったという。

 「野村 日本国債プラス」は、日本国債への投資に加えて債券先物取引と外国為替予約取引を活用して収益の獲得を目指す仕組みであるが、06年11月より機関投資家向けに提供しているファンドで同種の運用手法(リスク・リターンの水準は異なる)を活用している。同種の手法を活用しているファンドは、過去1年間の基準価額(10年5月時点)の騰落率が4.1%のプラスとなっており、08年9月のリーマン・ショック時にもプラスのパフォーマンスを記録している。ロング・ポジションとショート・ポジションを適切に組み合わせて相場の下落・上昇の両者に対応してきたという。

 主要投資対象の日本国債については、足元で日本の新発10年国債利回りが一時1.0%を下回るなど、やや行きすぎとの声も出ているが、「日本国債の金利変動にかかわらず、野村AMの運用力により、付加価値の追求を目指す」(同)という。

 債券先物取引と外国為替予約取引などの運用指図に関する権限の一部については、ノムラ・アセット・マネジメントU.K.リミテッド(NOMURA ASSET MANAGEMENT U.K.LIMITED)に委託する。実際の投資にあたっては、債券先物については流動性などを勘案して米、日、独、英などの先進国が中心となり、外国為替予約取引についても同様に米ドル、ユーロ、円といった主要通貨間での取引が中心となるという。

 「野村 日本国債プラス」の債券先物取引と外国為替予約取引の運用部分については、豊富な運用リソースを活用したマクロの経済見通しなどをベースとした定性判断を重視する。この運用部分は、「日本国債のヘッジを目的としているのではなく、日本国債の運用部分からは独立して安定したリターンを目指す仕組み」(同)であることも特徴だという。

主な購入費用など
購入時手数料(上限、税込み):1.575%
運用管理報酬(信託報酬率)(年、税込み):0.7665%〜1.0815%
信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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