ソニー銀が「中期的な展望に変化はあるのか?BRICs報告会」でセミナー

 ソニー銀行は17日、「中期的な展望に変化はあるのか? BRICs報告会」と題し、投信運用委託会社4社によるセミナーを開催した。
 ブラジルの今後の見通しについては、HSBC投信が説明。HSBCでは世界的な金融危機の影響からブラジル経済も09年の成長率は2〜3%台へ低迷すると予想するが、「海外の停滞の影響は小さく、先進国より回復が早い」と判断し、中期的な投資としては魅力的な国としている。
 ロシア・東欧の今後の見通しは、インベスコ投信投資顧問が説明した。ロシア・東欧諸国のマーケットは当面、調整が必至との見方を示した。ロシアに関しては、先進国の金融不安のほか、原油価格の急落で1バレル=70ドルで想定した経済政策の前提が大きく崩れていること、ロシアは地政学的リスク(グルジア紛争など)でロシア・ルーブルが売られる懸念が株式市場に広がったことが調整要因となったと指摘する。ただ、ロシアは過去10年ほどの原油価格の上昇で、資源からの収入の一部を積み立ててきた基金の存在が注目されると強調する。ロシアの株式市場のPERはすでに3倍弱とかなり割安な水準に入ってきており、原油価格の回復が浮上のきっかけになるとの見方だ。今後、米オバマ次期政権の政策動向を睨みながら、ロシアの地政学的リスクがどう展開するかに注目している。
 中国の今後の見通しについては、三井住友アセットマネジメントが解説。株式市場はH株指数が10月末に5,000ポイントを割り込むなど状況は厳しいものの、「中国の個人消費は底堅く、緊急景気刺激策など大規模なインフラ投資の拡大余地などを考慮すれば、中国マーケットは新興国の中でいち早く回復する可能性が高い」と予想する。
 PCAアセットマネジメントは、インドの株式市場の見通しについて語った。金融危機の連鎖とヘッジファンドなどの売却加速が響き、9〜10月は安全資産へのシフトが起こったが、12月前半は買い越しに転じるなど投資動向に変化の芽が出てきたという。「インドなど新興国が世界成長のけん引役であることに変わりなく、海外の投資資金がいつ戻ってくるかがポイント」とみている。


提供:モーニングスター社
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