「スパークス・海通・グレーターチャイナ・ファンド」――「ミニQFII」活用し中国株と債券に投資(2)

 東洋証券は11月1日から、中国A株を含めた中国、香港、台湾などのいわゆる「グレーターチャイナ」地域の株式と、人民元建て債券を実質的な投資対象とする「スパークス・海通・グレーターチャイナ・ファンド」の募集を開始した。

 同ファンドの実際の運用を担当する海通・アセット・マネジメント(香港)は、中国最大級の金融グループ会社・海通証券の100%子会社であり、上海と香港の拠点からの豊富な情報を活用する。運用調査チームは12名で構成されている。

 株式部分の参考ポートフォリオ(10年9月末時点、投資先ファンドと同じ運用会社が運用し、同様の投資方針を有する投資ファンドに関してであり、実際の投資先ファンドとは異なる)では、業種別でみると金融、情報技術、一般消費財などが上位となっている。一方、地域別比率では香港が過半数を占め、台湾が続いている。中国A株についてはほとんど組み入れられていないが、これは現状の投資判断では、中国A株が割高との見方から香港や台湾上場の株式を組み入れているためであり、今後の投資判断によっては中国A株の組み入れも可能となっている。中国本土と香港の両市場に上場している銘柄については、価格差を考慮して割安な市場や地域を選別し機動的な投資を行うことができる。

 一方、中国本土の債券市場については、発行残高でみた市場別比率では、今回投資可能となるインターバンク市場が97%を占めており(10年6月末時点)、銘柄数も多くなっており、流動性も高いという。上場市場では、国債や企業債(国有企業)、社債の構成比率が高くなっているが、インターバンク市場では国債、金融債、中央銀行手形の比率が高く、銘柄数ではコマーシャルペーパーが多くなっている。

 モデルポートフォリオ(10年8月末時点の市場環境に基づき、作成した仮のポートフォリオ)では、政府機関債が過半数を占め、次いで社債、CB(転換社債)が投資対象となっている。個別銘柄の種類では、中央銀行手形や金融債が上位となっている。「インターバンク市場では、債券はもともと信用の高い企業が発行している傾向が強い」(東洋証券・営業企画部)という。

 投資対象の中国株式市場については、年初来からのパフォーマンスでは、他のアジア、東南アジアの株式市場が上昇している一方で、中国の不動産市場への懸念などが浮上している。ただ、「中国人民銀行(中央銀行)が10月19日に、1年物預金・貸出金利を0.25%引き上げたが、過去の中国の株式の上昇局面と中国の金利上昇は相関性が高い。先行して上昇しているアジア、東南アジア株式に入っている資金が、出遅れている中国株に流入する可能性もあるだろう」(同)との見方だ。

主な購入費用など
購入時手数料(上限、税込み):3.15%
運用管理費用(信託報酬率):実質的には概算で1.9555%程度(税込み、年)
信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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