アライアンス・バーンスタインがターゲットイヤーFを設定――「株式」による運用を重視(2)

 アライアンス・バーンスタインはターゲットイヤー型ファンド3本を設定・運用を開始した。アライアンスでは、ターゲットイヤー型ファンドの設定の背景として、生活を送る上での将来の大きなリスク要因として「貯蓄不足」「長生きリスク」の2つを重視している。

 現状日本人の平均寿命(2007年は、女性85.99歳、男性79.19歳)が高止まりする中、さらに65歳以上の年齢では90歳超まで生存する確率が高まると指摘、従来の想定以上に長生きすることで将来の資金不足に陥る可能性に注目している。この「貯蓄不足」「長生きリスク」「インフレ」といった将来予測されるリスクに対して、一般に安定的とされる現金や債券といった運用手段は逆に「リスク」が高いとみており、むしろ「株式」による運用が「安全性が高い」との見方を示している。

 事実、予定される運用スタイルでは株式への投資比率は同種他ファンドよりも高いとしており、人生を4つのライフステージ(25歳から44歳までの「若年」、45歳から64歳までを「ミドル」、65歳から79歳までの「リタイア」、80歳以上を「シニア」)に分ける中、当初は日本株と海外株式、リートを中心とした運用を行い、徐々に国内債券、海外債券を増やしていく方針だ。

 また、アライアンス・バーンスタインでは、「人的資本」との考えを重視している。これは将来の給料を現在の割引価値に直したものを示す概念。「人的資本」は安定的なインカムが期待できるとみなせることから、「債券」と同様の位置付けとなり、これを各種の金融商品と組み合わせて運用するという方針につながる。

 運用当初(モデルでは25歳)は9割を国内外の株式、1割をリートで運用することを想定しているが、65歳では35%が国内外債券、その後は65%まで国内外債券への投資が徐々に増やしていく。また、各資産の運用に関しても、アライアンス・バーンスタインのグローバルな運用体制を生かしており、例えば株式ではグローバルで「グロース(成長)」銘柄、「バリュー(割安)」銘柄に区別し、それぞれ組み入れる体制を採る。トヨタ自動車はルノーやフィアットといった銘柄とも比較されることになり、よりグローバルな比較での銘柄組み入れを目指している。株式は先進国が組み入れの中心となるが、ボトムアップアプローチを重視しており、魅力的な新興市場の企業も調査対象になるという。さらに、アライアンスでは効率的な資産配分と各資産クラスの中でのアクティブ運用でリターンを狙う方針だ。

「アライアンス・バーンスタイン・財産設計 2020/2030/2040」の主な購入費用など
 販売単位、コース:各販社が定める
 申込手数料:各販社が定める
 信託財産留保額:0.2%
 信託報酬率:財産設計2020は実質的な信託報酬率が年1.26%から1.35%程度が上限、財産設計2030は年1.555程度が上限、財産設計2040は年1.55%から1.57%程度が上限
提供:モーニングスター社
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