国際投信が「中国株オープン」を設定――販社の三菱UFJ証券のQFII枠を活用、「中国A株」も投資対象

 国際投信投資顧問は8月7日、「中国株オープン」(追加型/海外/株式)の設定・運用を開始する。販売会社は三菱UFJ証券。販社の三菱UFJ証が09年3月にSAFE(国家外貨管理局)から1億ドルのQFII(適格外国機関投資家)の投資枠認可を受けており、この1億ドルの投資枠を活用して中国A株に投資する。また、フォルティス・ハイトン・インベストメント・マネジメント(FHIM)のアドバイスを受け、運用を行う。このところ、投資家の人気を集めている中国株に投資するファンド。すでに当初募集上限額200億円のうち、半分程度の100億円程度が集まっているもよう。年1回決算(8月6日)。クローズド期間は11月13日まで。
 「中国株オープン」は、中国の上場株式(中国A株、B株、レッドチップ、H株、P株)を投資対象とする(中国A株への投資は「中国A株オープン マザーファンド」を通じて行う)。中国株は上海市場、深セン市場上場のA株やB株、香港市場上場のH株やレッドチップ株などさまざまな種類の株式がある。中国A株に外国人が投資するにはQFII枠を中国当局から受けることが必要だが、QFII枠の認可自体は拡大傾向にあるため、「中国A株」への投資に関心が集まっている。
 三菱UFJ証券は今年3月にQFII投資枠の認可を受けており、今回はこの枠を活用したファンドになる。今回のQFII枠は1億ドル(1ドル=95円で換算すると約95億円)となっており、「中国株オープン」の当初募集上限額200億円に対して、中国A株への投資比率が高いものになっている(今年設定の中国株ファンドは中国A株のみに投資するファンドを除き、中国A株への投資比率は3割程度のものが多い)。

 また、運用アドバイスを受けるFHIMは、中国大手証券会社「ハイトン証券」とグローバルに運用を手がける「フォルティス・インベストメンツ」の合弁運用会社であり、中国株の調査体制を充実させている。今回、中国A株と、中国A株以外に投資する部分で一体的に投資アドバイスを受けることで、両市場に重複上場している企業の株式を弾力的に組み入れることや、両市場の特徴を活かした取引も可能になるとみられる。
 中国A株はより多数の銘柄やセクターが存在する。セクター比率の上位には、中国A株は金融株32.9%、資本財・サービス16.4%、素材15.8%(09年5月時点)。一方、香港H株は金融51.7%、エネルギー22.3%、資本財・サービス10.6%となっている。
 同ファンドでは、ボトムアップを中心とした銘柄の選別を行い、ポートフォリオは約60銘柄から100銘柄で構築される予定。個別の企業調査の積み上げがポートフォリオ構築の基本となるが、同ファンドでは中国株に対し、5つのテーマ(インフラストラクチャー、消費、新エネルギー、環境、構造変化)に注目している。「目先の経済対策では見えない『環境』や『新エネルギー』などにさまざまな切り口で投資するチャンス」(株式運用部)としている。

 中国の09年4月−6月期GDP(国内総生産)が前年比7.9%増と、1月−3月期の同6.1%増から加速するなど、各国の中でいち早く経済が回復するとの見通しが強まっている。中国株式も4兆元という巨額の景気対策発表を機に、各国の株式に先行する形で上昇に転じていた。国際投信では中国のGDP成長は年後半も続くとの見方だが、将来的に「CPI(消費者物価指数)が上昇してくると、中国当局が金融緩和を引き締めに転じる可能性がある」(株式運用部外国株式運用グループ)という点に注意を払っているという。

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