シンプレクスAMがWTI原油先物ETFを8月3日に大証上場――日本初の商品先物が投資対象

 シンプレクス・アセット・マネジメントは8月3日、日本で初めての原油先物を対象指標とするETF(上場投資信託)「WTI原油価格連動型上場投信(WTI原油ETF)」(追加型/海外/その他資産・商品先物/インデックス型)を大阪証券取引所に上場する。日本でETFの拡大が進む中で、商品全般の値動きに連動する、もしくは金価格に連動するETFはすでに上場しているが、今回の「WTI原油ETF」は原油先物に連動するETFとなる。また、金融商品取引法の改正の施行に伴いETFの投資対象先に商品先物が追加されたが、同ETFは国内で初めて商品先物を投資対象としているため、注目を集めている。

 「WTI原油ETF」は、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物に連動する。WTIは先物がニューヨーク商業取引所に上場しており、世界的な原油価格の指標の代表とされる。具体的には、WTI原油先物の直近限月の清算値を円換算で表示した価格が対象指標となる。売買単位は1口からとなっており、1口当たり約6400円(WTI先物の27日終値が1バレル=68ドル、1ドル=95円で換算)と個人投資家も購入しやすい単位となっている。信託報酬率は年0.8925%(税込み、組み入れている有価証券の貸し付けを行った場合には品貸料の50%以内の金額が加わる)。年2回決算(1月15日、7月15日)。当初設定上限額は200億円。指定参加者は日興シティグループ証券、日興コーディアル証券。

 シンプレクスAMはこれまで公募ファンドで「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」(追加型/国内/株式)といった日本株ファンドを手がけているものの、今回のETFはこれまでのファンドと商品性が異なっている。シンプレクスAMでは、国内でETFの商品は多く出ているものの、「ラインアップはまだ充実していない」(運用本部)とみていたといい、原油先物が個人投資家に知名度が高い半面、商品化されていないことに着目。金融商品取引法の改正を機に商品化に取り組んだという。同ファンドには松井証券などネット証券がいち早く関心をみせており、7月31日には松井証券と大証が合同でWTI原油先物の上場記念セミナーを開催する予定だ。

 足元、個人投資家がターゲットではあるものの、事業法人のヘッジ目的での利用も想定しており、関心も高いという。一方、実際に商品先物そのものを投資対象とした理由については、「信用リスクの部分を勘案した」(同)。昨年の金融市場の大幅な混乱で一部の商品指数に連動するファンドで設定・解約ができなくなるケースが発生しており、機関投資家の多くが抱く信用リスクへの懸念に対応するため、商品先物を投資対象とする形にしたという。
提供:モーニングスター社
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