長期運用スタイルでバリュー株を選別――「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」
アライアンス・バーンスタインは世界有数の資産運用会社アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーの日本拠点。1986年から長期にわたり年金基金など機関投資家向けに資産運用サービスを提供してきたが、2009年2月に日本の割安株に注目したファンド「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」(追加型/国内/株式)の運用を開始した。設定のタイミングが日本株の急落後であり、同ファンドがアクティブ型の日本株ファンドということや販売会社が野村証券ということもあり話題を集めた。
「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」は、1967年以来バリュー株投資を専門とするバーンスタイン部門が、マザーファンド(アライアンス・バーンスタイン・日本バリュー株マザーファンド)を通じ、日本株への投資を行う。本来の収益力に比べ、株価が過小評価された銘柄をバーンスタインの調査体制を活かしたリサーチ力で選別し、ボトムアップによるバリュー株運用を行う。ベンチマークはTOPIX(東証株価指数、配当込み)。6月30日時点の設定来(09年2月24日)の基準価格(課税前分配金再投資ベース)の騰落率は38.6%のプラスと、短期間ではあるがベンチマーク(28.7%のプラス)を上回る。ただ、直近1カ月間の騰落率は2.1%のプラスと逆にベンチマーク(3.5%のプラス)を下回った。純資産総額は29億円(6月末時点)。
セクター別の配分比率では、資本財(自動車など)16.9%、テクノロジー14.5%、素材13.9%となっているが、自動車や素材が対TOPIXでやや多い。また、組入上位銘柄にはトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTなど時価総額上位の銘柄が並ぶ(6月末現在)。
一方、月次の運用概況では、ポートフォリオ組入比率がベンチマーク構成比率に対してどれだけ上回っているかを示すアクティブ・ウエート10位銘柄が明示されており、「より割安である」とみている銘柄が明瞭に分かる。6月末現在ではアクティブ・ウエート上位にはオリックスや日産自動車が並んでいる。
同ファンドの特徴であるバリュー株運用の理念は、(1)企業の株価は、中長期的には企業が持つ潜在収益力に収れんする(2)市場参加者(人間)は短期的な出来事に過剰反応する可能性がある(3)その短期的な出来事が企業の中長期的収益に影響を与えるかを丹念なリサーチで見極める――の3点にあるという。バリュー株投資は本来の実力に比べて過小評価された割安な銘柄に投資することであり、長期だからこそバリュー投資の成果を得られるとの見方だ。
バリュー投資を支える運用・調査体制(グロース銘柄のリサーチ部隊は別になる)については、バリュー株専門のアナリストが、セクターごとにグローバルに横断したリサーチ体制を構築していることが特徴といえる。鉄鋼価格ならば、海外メーカーの供給能力やコスト競争力も含め、日本だけではない全世界的な調査を行い、需要や供給動向を見極める。
また、各担当アナリストも経営コンサルタントや業界出身が多く「他の運用会社出身のアナリストはほとんどいない」(クライアント本部クライアント・コミュニケーション部)といい、その業界構造や事業戦略の妥当性に精通したプロを採用し、バーンスタインの分析ノウハウを加えて企業を分析している。「対象となる企業を深掘りするリサーチに特化している」(同)と、該当企業に対し数週間から数カ月にわたる集中した調査を行うことが特徴だ。
実際の組み入れについては、クオンツなどを活用した定量分析と前述したリサーチによるファンダメンタル分析を加え、TOPIX(東証株価指数)の約9割にあたる600銘柄程度の投資ユニバースのなかから、70銘柄程度に銘柄を絞り込む。例えば、中長期の企業の収益力を見極めるのに、具体的には企業の5年間の財務予測を行うが、これも景気サイクル変動の影響を捨象した長期的な見方を踏まえてのものであり、長期運用に強みがあるバーンスタインの特徴が出ているといえよう。
バーンスタインでは、各国で比較的ハイリスク・ハイリターンの商品、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンが期待できる3タイプのファンドを提供しているが、「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」はミドルリスク・ミドルリターンの商品設計になるという。
提供:モーニングスター社
「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」は、1967年以来バリュー株投資を専門とするバーンスタイン部門が、マザーファンド(アライアンス・バーンスタイン・日本バリュー株マザーファンド)を通じ、日本株への投資を行う。本来の収益力に比べ、株価が過小評価された銘柄をバーンスタインの調査体制を活かしたリサーチ力で選別し、ボトムアップによるバリュー株運用を行う。ベンチマークはTOPIX(東証株価指数、配当込み)。6月30日時点の設定来(09年2月24日)の基準価格(課税前分配金再投資ベース)の騰落率は38.6%のプラスと、短期間ではあるがベンチマーク(28.7%のプラス)を上回る。ただ、直近1カ月間の騰落率は2.1%のプラスと逆にベンチマーク(3.5%のプラス)を下回った。純資産総額は29億円(6月末時点)。
セクター別の配分比率では、資本財(自動車など)16.9%、テクノロジー14.5%、素材13.9%となっているが、自動車や素材が対TOPIXでやや多い。また、組入上位銘柄にはトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTなど時価総額上位の銘柄が並ぶ(6月末現在)。
一方、月次の運用概況では、ポートフォリオ組入比率がベンチマーク構成比率に対してどれだけ上回っているかを示すアクティブ・ウエート10位銘柄が明示されており、「より割安である」とみている銘柄が明瞭に分かる。6月末現在ではアクティブ・ウエート上位にはオリックスや日産自動車が並んでいる。
同ファンドの特徴であるバリュー株運用の理念は、(1)企業の株価は、中長期的には企業が持つ潜在収益力に収れんする(2)市場参加者(人間)は短期的な出来事に過剰反応する可能性がある(3)その短期的な出来事が企業の中長期的収益に影響を与えるかを丹念なリサーチで見極める――の3点にあるという。バリュー株投資は本来の実力に比べて過小評価された割安な銘柄に投資することであり、長期だからこそバリュー投資の成果を得られるとの見方だ。
バリュー投資を支える運用・調査体制(グロース銘柄のリサーチ部隊は別になる)については、バリュー株専門のアナリストが、セクターごとにグローバルに横断したリサーチ体制を構築していることが特徴といえる。鉄鋼価格ならば、海外メーカーの供給能力やコスト競争力も含め、日本だけではない全世界的な調査を行い、需要や供給動向を見極める。
また、各担当アナリストも経営コンサルタントや業界出身が多く「他の運用会社出身のアナリストはほとんどいない」(クライアント本部クライアント・コミュニケーション部)といい、その業界構造や事業戦略の妥当性に精通したプロを採用し、バーンスタインの分析ノウハウを加えて企業を分析している。「対象となる企業を深掘りするリサーチに特化している」(同)と、該当企業に対し数週間から数カ月にわたる集中した調査を行うことが特徴だ。
実際の組み入れについては、クオンツなどを活用した定量分析と前述したリサーチによるファンダメンタル分析を加え、TOPIX(東証株価指数)の約9割にあたる600銘柄程度の投資ユニバースのなかから、70銘柄程度に銘柄を絞り込む。例えば、中長期の企業の収益力を見極めるのに、具体的には企業の5年間の財務予測を行うが、これも景気サイクル変動の影響を捨象した長期的な見方を踏まえてのものであり、長期運用に強みがあるバーンスタインの特徴が出ているといえよう。
バーンスタインでは、各国で比較的ハイリスク・ハイリターンの商品、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンが期待できる3タイプのファンドを提供しているが、「アライアンス・バーンスタイン・日本プレミア・バリュー株投信」はミドルリスク・ミドルリターンの商品設計になるという。
提供:モーニングスター社