SGAMが「日興SGレジェンド・イーグル・ファンド」を9月11日に設定、こだわりのバリュー投資(2)

 もともと、「日興SGレジェンド・イーグル・ファンド」の運用を担当するグローバル・バリュー・チームは1979年にソシエテジェネラルで発足したことから(現在はチームごとアンホールド&S.ブライシュローダー社に移籍している)、今回の日本での新規設定・運用に関してSGAMが担当することになった。また、アンホールド&S.ブライシュローダー社自体も200年超の歴史を持つ運用会社である(2009年3月末の運用残高は282億米ドル)。特に、同じ運用手法の「ファースト・イーグル・グローバル・ファンド」(類似ファンド)は優秀なトラックレコードから「伝説のファンド」との評価を受けるなど、大きな注目を集めている。
 グローバル・バリュー・チームは14人体制で一貫した投資体制を構築しており、平均運用経験年数17年の2人のポートフォリオ・マネージャーが同チームを率い、チームとしての運用哲学を継承している。

 同ファンドの運用手法の特徴は、バリューと判断される世界の株式に投資する点。
 投資哲学としてまずウォーレン・バフェット氏の「鉄則1 損をしないこと」「鉄則2 鉄則1を決して忘れないこと」を掲げるなど、ドルベースでの長期的な絶対リターンの追求にこだわり、「元本の保全を目指している」(同)点が特徴といえる。
 ベンチマークは特に採用していない。また、資産別配分でみると、金を5−15%程度保有し、キャッシュも他ファンドと比較して多く持つ点も特徴として挙げられる。特にキャッシュは現状(2009年5月末時点、類似ファンドベース)で5.0%だが、過去30%近くまで持ったケースもあるという。金については「流動性の高い保険商品」との位置付けだが、キャッシュについては、今後のバリュー銘柄への投資資金という意味合いや、「割安な銘柄がなくなれば、キャッシュポジションを増やす」(同)という投資哲学に忠実な面もあるという。
 また、投資対象は上記以外にも、社債や転換社債に広がる可能性があるなど、その投資対象はさまざまだ。一方、今回新規募集する「日興SGレジェンド・イーグル・ファンド」については、金現物に投資するのではなく、金ETF(上場投資信託)、金鉱物株に投資する形となる。

 銘柄選別については、世界各国の株式のなかから、まず財務諸表や公開情報や外部リサーチを活用。「自ら(グローバル・バリュー・チーム)財務諸表を作り直す」(同)というほど徹底的に分析。特に欄外表記や注釈など、通常はそれほど重要視されない部分も詳細に調べ、企業の「本源的価値」を独自に分析。独自のPBRやPERなどのバリュエーション分析、キャッシュフローの分析も加え、企業の「本源的価値」から株価が著しく割安(通常35%から50%の割安)になっている銘柄を投資対象としている。投資の基本である「分散」「長期」での投資に加え、徹底的に割安な銘柄にこだわる「慎重さ」も投資哲学の一つとなっている。
 ポートフォリオは100銘柄から150銘柄程度で構成される予定。構成銘柄は「基本的に中小型の銘柄が多くなる」(同)という。2009年5月末時点では、徐々にキャッシュの比率を引き下げる半面、日本株の割合が増えてきており、日本株の割合は23.7%に達している(25銘柄程度)。
 組入上位銘柄には、日本株ではファナック<6954.T>、SMC<6273.T>、セコム<9735.T>などが並んでいる(2009年4月末現在)。一方、新興国株式については、現状「割安」である面が少ないことや、「自分達で理解できない」との観点から、組み入れは低位となっている。同様に財務諸表に不明な点があるとの見方から、米国などの金融株も組み入れていない。
 同ファンドは、「元本の保全を目指す」という目的での独自の「バリュー」投資の手法を一貫して継続し、類似ファンドが長期(30年)にわたり優れたトラックレコードを保有しているという点で日本でこれまであまりみられなかったタイプのファンドといえよう。
提供:モーニングスター社
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