ステート・ストリートの米国株セクターETFが日本上陸、コストは「最安」

 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズはこのほど、米国上場セクターETF(上場投資信託)9本について、日本での販売を開始した。9本は外国籍ETFとして国内証券会社を通じて販売するとしており、楽天証券やSBI証券では7日から取り扱いが始まった。ダウ工業株30種平均が史上初めて1万7000ドル台に乗せるなど米国株式が騰勢を強めるなか、幅広いセクターへの投資手段を提供することにより、投資家のニーズに応えたい考えだ。

 今回、同社が日本で提供を開始したのは「SPDR」ブランドとして展開するETFで、9本はそれぞれ金融やエネルギー、テクノロジーなど特定のセクターの株式に投資する。セクター別に投資することで、市場環境によっては市場全体に投資するよりも高いリターンの追求が可能。セクターETFは、市場のテーマに応じて投資家自身が自由に組み入れることができる利点があるほか、複数のセクターETFを持つことで分散効果も期待できる商品となっている。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの山本幸次社長はプレスリリースで、SPDRのセクターETFについて「米国株式のセクター・アロケーション(業種配分)戦略を容易に低コストで行える」としている。

 ETFは指数への連動を目指す商品で、保有し続ける限り投資家が運用管理費用として負担する必要がある信託報酬は一般的な投信に比べて低い。ステート・ストリートがこのほど投入した9本のETFは日本の信託報酬にほぼ相当する「エクスペンスレシオ」がいずれも0.16%(ドル建て)と、米国に上場するセクターETFのエクスペンスレシオの平均0.65%(同)の約4分の1に抑えられている。国内証券会社で販売される米国上場ETFの中でも、米国株式に投資するセクターETFのラインナップとしては最も低いコスト水準だ。

 SPDRのセクターETFは、米国に数ある同種のETFのなかでもトップクラスの人気を誇る。14年6月末時点で、米国上場のセクターETFの純資産残高ランキングを見ると、上位10本のうち7本がSPDRのETFとなった。「金融セレクト・セクター SPDRファンド(XLF)」が186億ドル(約1.8兆円)で2位、「エネルギー・セレクト・セクター SPDRファンド(XLE)」が126億ドル(約1.2兆円)で3位となるなど、資金を集めている。

 なお、国内公募追加型株式投信では米国株式に投資するインデックスファンドの種類が増えてきたが、多くはダウ工業株30種平均に連動するタイプで、米国株式を投資対象とするセクター型インデックスファンドのラインナップはない。米国株式のセクターに着目する個人投資家にとっては海外上場ETFが主要な投資手段であり、今回、SPDRのセクターETFが投入されたことで運用の幅が一段と広がりそうだ。

*ステート・ストリートが今回、日本で販売開始したETF
 ・一般消費財セレクト・セクターSPDR ファンド(XLY)
 ・エネルギー・セレクト・セクターSPDR ファンド(XLE)
 ・金融セレクト・セクターSPDR ファンド(XLF)
 ・公益事業セレクト・セクターSPDR ファンド(XLU)
 ・資本財セレクト・セクターSPDR ファンド(XLI)
 ・生活必需品セレクト・セクターSPDR ファンド(XLP)
 ・素材セレクト・セクターSPDR ファンド(XLB)
 ・テクノロジー・セレクト・セクターSPDR ファンド(XLK)
 ・ヘルスケア・セレクト・セクターSPDR ファンド(XLV)
提供:モーニングスター社
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