アクティブからの転換、米国では10年間でパッシブファンドが約6倍に増加

 9月の米国籍オープンエンドファンドの純資金流出入額(ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く)をみると、アクティブファンドが2カ月ぶりの流出超過となり、その額は178億ドル(約1.9兆円)に及んだ。一方でパッシブファンドの純流入額は268億ドル(約2.8兆円)となり、14年2月から8カ月連続の流入超過となっている。

 純流入額の上位5本ではすべてパッシブファンドが占めており、第1位であるS&P500に連動する「スパイダー S&P500ETF」は98億ドル(約1兆円)の流入超過となった。9月末からの過去1年間の同ファンドのトータルリターンは19.6%と、米国株を主な投資対象としたファンドの平均(注)である11.1%を上回っている。

 一方で、最も純流出額が大きかったのはアクティブ運用の債券ファンド「ピムコ・トータル・リターン・ファンド」で、179億ドル(約1.9兆円)の流出超過となった。同ファンドはカリスマファンドマネージャーであるビル・グロース氏の突然の退職を受けて純流出額が拡大した。パッシブファンドと違い、運用パフォーマンスがファンドマネージャーの力量に左右されるアクティブファンドはマネージャー交代のリスクがつきまとう。

 9月末時点で、パッシブファンドの純資産総額は3.9兆ドル(約412兆円)と、アクティブファンドの9.6兆ドル(約1013兆円)と比べてその規模はまだ小さい。しかし、04年9月末からの10年間をみると、アクティブファンドが2.1倍に増加したのに対し、パッシブファンドは5.6倍に増加している。

(注)米モーニングスターカテゴリー大型株「US OE Large Value」「US OE Large Blend」「US OE Large Groth」、中型株「US OE Mid−Cap Value」「US OE Mid−Cap Blend」「US OE Mid−Cap Groth」、小型株「US OE Small Value」「US OE Small Blend」「US OE Small Groth」の平均値
提供:モーニングスター社
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