MLP人気が本格化―9月流入額上位に2本ランクイン、残高は1年で11倍
シェールガス開発など米国でエネルギー産業が勢いづくなか、関連銘柄としてMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)に投資する国内ファンドが好調だ。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向け、ファンドラップ向け、ETFなど除く)の9月の純資金流入額上位10本を見ると、「米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)H無」が3位、「インデックスファンドMLP(毎月分配型)」が9位となり、MLPに投資するファンドが2本入った。国内では昨年6月に初めてMLP関連ファンドが設定され、14年9月末時点で計10本と順調に増加している。純資産総額は同月末時点で3227億円と過去1年で約11倍になるなど人気の高まりが顕著だ。
MLPは、パイプラインなどのエネルギーインフラに投資する事業体で、収益が景気変動の影響を受けにくいほか、稼いだ利益の大半を配当に充てるという特徴がある。運用会社各社は安定して高配当が見込めるとしてMLP関連ファンドを相次ぎ設定している。実際に、代表的指数(注)で比較すると米国ではMLPの配当利回りが14年9月末時点で5.05%と、ハイ・イールド債券の6.14%は下回るものの、REITの4.36%を上回る。
米国の投信市場では、日本よりも一足先にMLPに資金が流入する傾向が見られている。米国籍オープンエンドファンドの資金流出入(ETF、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く推計値)を見ると、MLPを主要投資対象とする米モーニングスターカテゴリー「エネルギー・リミテッド・パートナーシップ」はデータが確認可能な10年5月から14年9月まで約4年半にわたって資金流入超が継続する好調ぶりだ。
もっとも、10月は原油価格が急落するなか、エネルギー関連としてMLPにも売り注文が殺到し、MLPの代表的指数は1日から17日まで6%超下落した。原油価格の下落基調が続けばMLPに投資するファンドから資金が流出し始める可能性もある。
(注)MLP=S&P MLP、米国REIT=FTSE NAREIT全REIT、ハイ・イールド債券=BofAメリルリンチUSハイイールド・マスターII
提供:モーニングスター社
MLPは、パイプラインなどのエネルギーインフラに投資する事業体で、収益が景気変動の影響を受けにくいほか、稼いだ利益の大半を配当に充てるという特徴がある。運用会社各社は安定して高配当が見込めるとしてMLP関連ファンドを相次ぎ設定している。実際に、代表的指数(注)で比較すると米国ではMLPの配当利回りが14年9月末時点で5.05%と、ハイ・イールド債券の6.14%は下回るものの、REITの4.36%を上回る。
米国の投信市場では、日本よりも一足先にMLPに資金が流入する傾向が見られている。米国籍オープンエンドファンドの資金流出入(ETF、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く推計値)を見ると、MLPを主要投資対象とする米モーニングスターカテゴリー「エネルギー・リミテッド・パートナーシップ」はデータが確認可能な10年5月から14年9月まで約4年半にわたって資金流入超が継続する好調ぶりだ。
もっとも、10月は原油価格が急落するなか、エネルギー関連としてMLPにも売り注文が殺到し、MLPの代表的指数は1日から17日まで6%超下落した。原油価格の下落基調が続けばMLPに投資するファンドから資金が流出し始める可能性もある。
(注)MLP=S&P MLP、米国REIT=FTSE NAREIT全REIT、ハイ・イールド債券=BofAメリルリンチUSハイイールド・マスターII
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