マネックス・セゾン・バンガード、フィンテックの個人向け投資一任運用サービスで提携引き合い活発(下)

 マネックス・セゾン・バンガード投資顧問(本社:東京都千代田区)代表取締役社長の大原啓一氏に、今後の展望について聞いた。

 ――日本でも「ロボ・アドバイザー」を活用したサービスが出始めています。御社のサービスは、一言でいうと「ロボ・アドバイザーを活用したラップ口座の提供」ということができますが、他社との差別化ポイントは?

 たとえば、仮にお客さまの目標がそれほど達成困難なものでないなら、リスク許容度上限のポートフォリオで運用する必然性はなく、よりリスクが低いポートフォリオを用いた運用計画でも構わないわけです。

 その意味で、現在導入され始めているサービスが「ロボ・ポートフォリオ・アドバイザー」サービスとすると、当社のサービスは「ロボ・プランニング・アドバイザー」サービスと整理することができるかもしれません。

 私たちは、当社サービスを利用するお客さまには、資産形成・運用計画を達成するためのトータルのサポートを提供したいと考えています。したがって、計画をご一緒に策定し、その計画に最適なポートフォリオをご提案・ご提供するだけでなく、その後のフォローアップもしっかりさせて頂くことを目指しています。例えば、サービス利用開始後にマーケット状況の変化などによって当初設定した目標の達成が難しくなった場合には、計画の見直しを適時に提案するなど、継続的に寄り添うサポートを提案したいと考えています。

 当社の出資会社のひとつである米国バンガードグループも米国本国で個人投資家向けに類似のサービスを提供していますが、それもやはり資産計画の策定とその達成のサポートを重視したものであり、他の「ロボ・ポートフォリオ・アドバイザー」サービスとは異なったサービス哲学で運営されています。同社の米国でのサービスをそのまま日本に移管するわけではないものの、そのサービス運営のノウハウ等を活用し、日本の個人投資家のお客さまに良質なサービスを提供したいと考えています。

 ――サービス開始の時期は? また、当面の目標は?

 今年4月以降のサービス開始を目標に、現在、サービス開発の最終段階を迎えています。投資一任運用サービスという新しいサービスを身近に利用頂けるよう、金融・情報技術を駆使して小口化・低コスト化を実現するのみならず、気軽に利用頂けるようにお客さまが目にするデザインやUI(ユーザー・インターフェース)も工夫を凝らしたものにしたいと考えています。また、将来的にはスマホアプリでのサービス提供も考えており、お客さまとの接点という意味でもより身近な存在になることを目指しています。

 また、昨年12月14日に「投資運用業及び投資助言・代理業」の登録が完了してから、金融機関との提携交渉を本格化させています。出資会社のひとつであるマネックスグループの子会社であるマネックス証券が最初のサービス提供チャネルとなる予定ですが、様々な金融機関・非金融機関にもチャネルを広げ、サービスを提供することを目指しています。お客さまの生活に身近なサービスになりたいという想いから、普段の生活でご利用頂いている銀行などの金融機関の口座でも当社サービスをご利用頂けるようになりたいと考えています。

 地方銀行などの金融機関の方々と話をさせていただく機会が多いのですが、ITを活用した新しい資産運用のプラットホームとして大変強い関心をもって頂けています。特に、当社サービスを提供することにより、新しい顧客層にリーチすることができるという可能性や、自行口座内から顧客資金が流出せず、将来的に資産運用サービスに加えてさまざまな金融サービスをご提案できる総合口座としての広がりの可能性に興味を持って頂いているように感じています。

 ビジネスの目標として意識しているのは、受託残高を1000億円や2000億円と積みあげるというよりも、サービスの利用者数の拡大です。資産運用ビジネスですので受託残高が非常に重要であるのは間違いありませんが、サービス内容を本当に評価して頂けているかどうかという指標としてサービス利用者数にもこだわりたいです。ロボを使ってできるだけ人員を使わずに低コストでサービスを提供するというモデルですので、あまねく日本中のお客さまにご利用頂けるサービスになると思っています。

 新しい金融インフラを構築することを目指し、より多くの金融機関・非金融機関と積極的に提携し、サービスの認知度を高めていきたいと思っています。
提供:モーニングスター社
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