設定後4カ月で純資産約4000億円、日興アセット「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の魅力(上)

 日興アセットマネジメントが設定・運用する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」(1年決算型)/(年2回決算型)は、2015年8月31日に2ファンド合計で約1250億円で設定され、12月末には同約3950億円と純資産残高を大きく伸ばしている。近年の株式投信では際立った規模とペースで投資家の支持を獲得した同ファンドについて、商品開発を担当した商品開発第一部兼商品開発第二部マネージャーの千葉直史氏に、商品開発の背景などについて聞いた。

 ――「グローバル・ロボティクス株式ファンド」は、株式ファンドとして約1250億円という大きな設定額となり、設定後半年足らずで純資産残高を設定時の3倍以上に積み上げています。ファンドの設定タイミングやコンセプトが、投資家の方々のニーズに合致した結果といえますが、そもそもこのタイミングでロボット産業に投資するというコンセプトを考えたきっかけは?

 ファンドの企画は一昨年から検討を始め、昨年夏の設定に至りました。ロボットに関連する記事がここ数年で急速に増加していることが着想のきっかけとなりました。特に、2012−13年に活発に行われていたのが、米国の大手IT企業によるロボットベンチャーの買収です。それまでのロボット企業は、米国防総省など国の機関が資金を出して、基礎研究が進められていたのですが、民間企業が出資・買収することによって、商業ベースに乗せられる商品開発が一気に進むことが予感できました。

 そして、当時から急速に普及していたスマートフォンの存在があります。年間10億台という規模で世界中に広がっているスマホは、各種センサーやGPSを搭載した小型ロボットのような存在です。話しかけると応える人工知能(AI)の機能すら搭載しています。加えて、スマホに使われている高性能な要素部品が大量に生産されることも、ロボットの開発を後押しする大きな要因となっています。

 さらに、日本で進む少子高齢化は、世界各国も等しく抱えている課題です。これまでは、工場で活用されていたロボットが、愛玩、介護サポートのため、あるいは、家電や自動車に組み込まれて、どんどん家庭や生活の中に入ってきています。

これまでも、ロボットが注目される局面は何度か訪れていたのですが、AIの進化や、インターネットやクラウドの一般化によるIoT(モノのインターネット)の発展によって、爆発的に需要が生まれるクリティカルなポイントを迎えたのではないでしょうか。日本をはじめ、米国、ドイツ、中国などで産業振興策の柱のひとつにロボット産業を置いた振興策を取っていることから、国を挙げて育成する産業としても注目されます。

 もう一つ、付け加えると、このファンドは「ロボティクス」ファンドであり、「ロボット」ファンドではありません。「ロボティクス」という命名によって、ロボットだけではなく、AIの活用やIoTの進展で開かれるさまざまなロボットに関連する産業を広く包括したイメージを持っていただけたのではないかと思います。

 ――「グローバル・ロボティクス株式ファンド」は、実質的な運用を米国のラザード・アセット・マネージメント・エルエルシーが行います。ラザード社を運用の再委託先に決めた理由は? また、ファンドの特徴は?

 グローバルのロボティクス企業に投資するファンドを企画した時、この分野で実績のある運用委託先を探したのですが、当時は「ロボティクス企業」に投資を行うファンドは存在しておらず、当然ながら実績を持つ運用チームもありませんでした。ラザード社はグローバル株式のボトムアップ運用で知られる運用会社ですが、テーマローテーション型のファンドで優れた運用実績がありました。「エネルギー」や「農業」など、様々なテーマ型戦略を組み合わせて運用する仕組みで、それらのテーマのひとつに「ファクトリーオートメーション(産業用ロボット等)」という今回のファンドのコンセプトに近い投資テーマがありました。

 ラザード社は、当ファンドのコンセプトに共感し、ファンドの仕組み作りについてはラザード社アナリストチームの協力も得ることができました。

 実際に運用を開始してみると、組み入れ上位国は、トップのアメリカ(33.5%)と同等の比率で日本(32.0%)が位置づけられています。日米で全体の65%を占める構造です。これは、ロボティクス関連産業において日本企業が国際的な競争力を有していることを良く表していると思っています。グローバル株式の代表的な株価指数などでは、日本株の組み入れ比率は10%程度とは際立つ違いになっています。(組み入れ比率は2015年12月末現在)

(「下」につづく)
提供:モーニングスター社
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