増える「ネットで投信購入」―売れ筋は3タイプ、“低コストアクティブ”もじわり人気化

 インターネットで投信を購入する人が増加を続けている。日本証券業協会が実施した平成27年度「証券投資に関する全国調査(個人調査)」によると、投資信託の売買注文場所としてインターネット取引と答えた人の比率(複数回答)は、証券会社とその他金融機関を合わせて16.2%と、前回の平成24年度調査の12.6%から拡大した。若年層ほどインターネットで投信を売買する傾向が強いものの、定年退職前後の60−64歳(男性)でも約2割がインターネット取引を利用しており、年齢にかかわらず広がりを見せている。

 実際の売れ筋はどうか? SBI証券、マネックス証券、楽天証券が公表する投信の販売金額ランキング(直近の週次ベース)を基に傾向を探ると、トップ10は主に(1)高水準の分配金を支払う毎月分配型(2)インデックスファンド(3)ブル・ベア型――という3タイプに分けられる。(1)の毎月分配型は販売チャネルに関係なく根強い人気があり、ネットでも高利回りのニーズを背景に売れているようだ。(2)のインデックスファンドは指数への連動を目指す分かりやすさと低コストから投資初心者を中心に支持されている。(3)のブル・ベア型は店頭に比べて機動的な取引が可能なインターネットの特性を反映した結果と言えるだろう。

 また、全体的な傾向とは言えないものの、SBI証券や楽天証券では低コストで良好なパフォーマンスのアクティブファンドもトップ10に入った。ランクインしたファンドは、15年12月末時点のモーニングスターレーティングが4つ星(5段階で上から2番目に高い評価)で、アクティブファンドでありながら信託報酬等(税抜き)は1%を下回る。

 投信市場全体では、パフォーマンスが良ければ資金が集まるという状況には必ずしもなっていない。こうしたなか、ネット証券で運用成績が優れコストを抑えたアクティブファンドがじわり人気化している事実は、ネットユーザーの“目利き”の高さをうかがわせる。
提供:モーニングスター社
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