ボラタイルな市場にも有効な、長期で分散したポートフォリオ運用=バンガードの運用統括責任者に聞く(下)

 バンガード・アジアパシフィックの運用部門統括責任者 プリンシパルのロドニー・コメジス氏に、現在の市場環境と有効な投資戦略について聞いた。

 (上)からつづく

 ――多くの投資家の方々は、今年になってからの株価の下落や大きな値動きに不安を感じていると思います。このような相場において、どのような投資戦略が有効ですか?

 バンガードでは、短期的な市場の変動や見通しに合わせた投資判断をしませんので、具体的な相場への対処法を語ることはできません。

 ただ、これからの10年間を展望してみると、株式投資のリターンは年率6−10%が期待されます。引き続き有望な投資資産であると思います。バンガードには、世界40カ国以上の国々の約8000銘柄に投資するグローバル株式のインデックスファンドなどがありますが、十分に分散された株式のポートフォリオは、資産運用のコアとして有効だと思います。

 また、債券は市場がボラタイルな時(変動率が大きい時)には、その変化を緩和するショックアブソーバー(衝撃緩衝材)のような役割を果たします。こちらも、グローバルに分散投資したポートフォリオを使って、株式と合わせて投資するようにします。

 株式と債券への投資比率は、退職者なのかどうか、あるいは、どのような目的で投資するのかなどによって調整する必要がありますが、資産を十分に分散したポートフォリオを持つということが重要です。

 付け加えるなら、できるだけ投資コストの低い投資手段を選ぶようにします。「フィー(手数料)は、富を喰いつくす」という言葉があります。実際に、投資コストの差は、長期の運用においては大きな影響があります。

 米国ファンドの平均的なコストは2014年現在で年1.02%ですが、バンガードは0.18%です。このコスト差は何年も積み重なると、どんどん大きくなっていきます。

 さらに、投資を継続することが重要です。10年単位の長い期間にわたって投資することを考えましょう。毎月一定金額を投資するなどの方法では、ドルコスト平均法による購入コストの押し下げ効果も期待できますので、長期の投資を前提にすれば、株価が下落した局面は投資スタートには良い機会といえます。

 ――日本の投資家へのメッセージは?

 日本は資産に占める貯蓄の比率が高いことで知られます。マイナス金利になった超低金利の今、銀行預金等の資金を投資へ振り向けることを、検討していただきたいと思います。

 一方で、日本ではインデックスの2倍、3倍に値動きするようなレバレッジ型ファンドを活用して、投資タイミングを計ってファンドを売り買いする方が少なくないと聞きます。このような投資で成功することは大変難しく、投機的な行為だと思います。このような投機的な方々にも、長期に資産の成長をめざす投資をすすめたいと思います。

 そして、投資について経験がない方々、また、市場の変化への対応など運用管理が難しい方々には、プロのアドバイスが有効なことも知っていただきたいと思います。アメリカにおいて、投資アドバイスを利用して投資した結果、運用パフォーマンスがおよそ年1.5%改善したという調査結果もあります。

 投資で成功するポイントは、十分な分散投資と、長期間の運用にあります。その際、同じ運用でも、運用手段とするファンドの品質が高く、かつ、運用コストが低い方が良い結果を得られます。バンガードは、インデックス運用のリーダーとして、圧倒的に低コストのファンドを高い品質で提供することを愚直に続けている会社です。ぜひ、資産運用のパートナーとして、バンガードのインデッスクファンドやETFをご利用ください。
提供:モーニングスター社
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