<★★★★★>「アジアハイ・イールド・プラス」、6%以上の高利回りが価格変動のクッション(上)
「アジアハイ・イールド・プラス(毎月決算型)(為替ヘッジなし)」<2012082701>(★★★★★、評価基準日=2月29日)は、モーニングスターレーティングで最高格付けの5つ星に格付けされた。2016年2月末現在で3年(年率)のトータル・リターンは8.16%でカテゴリー平均(0.33%)を大きく上回り、リスク(標準偏差)は10.49とカテゴリー平均(13.92)と比較して低く抑えられている。
同ファンドを運用する岡三アセットマネジメント 債券運用部シニアファンドマネージャーの大久保公隆氏に、ファンドの特徴と運用状況について聞いた。
――「アジアハイ・イールド・プラス(毎月決算型)(為替ヘッジなし)」の特徴は?
アジアの発行体が発行するハイ・イールド債券(BB格相当以下の信用格付けの債券)に資産の90%程度を投資し、アジアの転換社債(CB)に10%程度を投資して高いインカム収益を得ながら、資産の安定した成長をめざす運用を行っています。
実質的な運用対象である「アジア・ハイ・イールド債券ファンドF(為替ヘッジなし)(適格機関投資家専用)」の運用を行っているのはJPモルガン・アセット・マネジメント、また、「BNPパリバ・アジア・オセアニアCBファンド(適格機関投資家専用)」はBNPパリバ インベストメント・パートナーズが運用を行っています。ともに、香港を拠点とし、アジア地域にしっかりしたリサーチ体制を持ってボトムアップ運用を得意とする運用会社です。
投資対象にするアジアのドル建てハイ・イールド債やCBは、香港で主に取引が行われています。その点で香港に運用拠点があることは、情報を得るという点で有利です。一方で、個別銘柄の発行体をリサーチする調査ネットワークは、アジア地域に広く持っている必要がありますが、JPモルガン・アセット、BNPパリバともにアジア地域では歴史のある運用会社として信頼できる調査体制を構築しています。
アジアのハイ・イールド債券市場は、直近のインデックスベースで年8%程度の利回りがあり、この分が価格変動のクッション役として働きます。2015年のインデックスの騰落率は米ドルベースでプラス5.8%だったのですが、価格変動部分でマイナス1.3%だったところ、インカムで7.1%の収益があったため、トータル・リターンでプラスになったという状況です。この利回り水準が高いことが、アジアのハイ・イールドに投資する最大の魅力です。
――ハイ・イールド債券は米国市場が大きく、昨今は大きく荒れた市場になっています。米国とアジアのハイ・イールド債券市場の違いは?
米国のハイ・イールド債券市場は大きく流動性が高いということが特徴です。昨今は、原油価格の下落によってエネルギーセクターのハイ・イールド債が大きく売り込まれるということがありました。米国市場では比較的エネルギー関連の比率が高いこともあって、市場全体に波乱が影響したといえます。
アジアではエネルギー関連の占める比率が小さいこと、また、エネルギー関連企業は国有企業など国のサポートを受けているケースが多いこともあって、米国市場で見られた動揺の影響は、比較的小幅にとどまっています。
一方、アジアの市場では発行体として中国のウエートが大きくなっています。業種としては不動産セクターが大きいです。中国の不動産と聞くとリスクが高いように感じるかもしれませんが、中国当局による金融緩和策などの効果で、昨年1年間は不動産セクターのパフォーマンスは良好でした。インデックスが米ドルベースでプラス5.8%に対し、不動産セクターはプラス10%超のリターンでした。
(下)へつづく
提供:モーニングスター社
同ファンドを運用する岡三アセットマネジメント 債券運用部シニアファンドマネージャーの大久保公隆氏に、ファンドの特徴と運用状況について聞いた。
――「アジアハイ・イールド・プラス(毎月決算型)(為替ヘッジなし)」の特徴は?
アジアの発行体が発行するハイ・イールド債券(BB格相当以下の信用格付けの債券)に資産の90%程度を投資し、アジアの転換社債(CB)に10%程度を投資して高いインカム収益を得ながら、資産の安定した成長をめざす運用を行っています。
実質的な運用対象である「アジア・ハイ・イールド債券ファンドF(為替ヘッジなし)(適格機関投資家専用)」の運用を行っているのはJPモルガン・アセット・マネジメント、また、「BNPパリバ・アジア・オセアニアCBファンド(適格機関投資家専用)」はBNPパリバ インベストメント・パートナーズが運用を行っています。ともに、香港を拠点とし、アジア地域にしっかりしたリサーチ体制を持ってボトムアップ運用を得意とする運用会社です。
投資対象にするアジアのドル建てハイ・イールド債やCBは、香港で主に取引が行われています。その点で香港に運用拠点があることは、情報を得るという点で有利です。一方で、個別銘柄の発行体をリサーチする調査ネットワークは、アジア地域に広く持っている必要がありますが、JPモルガン・アセット、BNPパリバともにアジア地域では歴史のある運用会社として信頼できる調査体制を構築しています。
アジアのハイ・イールド債券市場は、直近のインデックスベースで年8%程度の利回りがあり、この分が価格変動のクッション役として働きます。2015年のインデックスの騰落率は米ドルベースでプラス5.8%だったのですが、価格変動部分でマイナス1.3%だったところ、インカムで7.1%の収益があったため、トータル・リターンでプラスになったという状況です。この利回り水準が高いことが、アジアのハイ・イールドに投資する最大の魅力です。
――ハイ・イールド債券は米国市場が大きく、昨今は大きく荒れた市場になっています。米国とアジアのハイ・イールド債券市場の違いは?
米国のハイ・イールド債券市場は大きく流動性が高いということが特徴です。昨今は、原油価格の下落によってエネルギーセクターのハイ・イールド債が大きく売り込まれるということがありました。米国市場では比較的エネルギー関連の比率が高いこともあって、市場全体に波乱が影響したといえます。
アジアではエネルギー関連の占める比率が小さいこと、また、エネルギー関連企業は国有企業など国のサポートを受けているケースが多いこともあって、米国市場で見られた動揺の影響は、比較的小幅にとどまっています。
一方、アジアの市場では発行体として中国のウエートが大きくなっています。業種としては不動産セクターが大きいです。中国の不動産と聞くとリスクが高いように感じるかもしれませんが、中国当局による金融緩和策などの効果で、昨年1年間は不動産セクターのパフォーマンスは良好でした。インデックスが米ドルベースでプラス5.8%に対し、不動産セクターはプラス10%超のリターンでした。
(下)へつづく
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