マイナス金利時代に安定運用ニーズにいかに応えるか? 運用各社に聞く(上)
日銀が民間金融機関から受け入れている当座預金の一部に手数料を課す「マイナス金利政策」が2月16日に実施されて1カ月が経過した。3月16日現在の国債利回りは10年債がマイナス0.085%など、10年以下の利回りがそろってマイナスになっている。20年債の利回り0.42%、30年債でも0.631%と「金利」での運用が難しくなっている。
銀行預金は普通預金金利が0.001%、定期は1年でも10年でも、300万円未満も大口も一律で0.01%になってしまった。このような環境で、安定的な運用成果を求める投資家は、どのような視点で商品を選べば良いのだろう? 運用会社の商品企画担当者にヒアリングした。
野村アセットマネジメント投資信託営業統括部プロダクト企画チーム シニア・マネージャーの河邉隆宏氏は、「マイナス金利という経験のない環境を迎えたいまは、ベーシックな分散ポートフォリオをスタートさせるきっかけになると思います。すでに投資をしている方々は、保有資産に偏りがある場合は、足りない資産を補うなど分散ポートフォリオの再構築を考えましょう。投資の目的やリスク許容度によって、選択する資産クラスや配分比率が異なってきます。分散投資のポートフォリオについて、証券会社や銀行の窓口で相談されるのもひとつの方法です。また、運用期間に応じた分散ポートフォリオで運用するターゲットデートファンドも選択肢になります。
4月1日に『野村 ターゲットデートファンド2016(愛称『未来図』)』を設定します。このファンドは、運用開始直後はリスクを低くスタートし、徐々にリスクを引き上げ、目標が近づくと再びリスクを引き下げるという運用をします。投資をスタートさせる方にご検討いただきたい」と語った。
DIAMアセットマネジメントの投信企画部課長の積木利浩氏は、「リスクを徹底的に抑えて安定的に運用するニーズに答えられるファンドの1つに『DLIBJ 公社債オープン(中期コース)』<1999121402>(★★★★★、評価基準日=2月29日)があります。現在のポートフォリオは国債50%と事業債50%で、事業債(BBB−格以上)の信用リスクを取る、また、先物を使ってデュレーションをコントロールすることによって国債利回り+αのリターンをめざしております。結果的にボラティリティは年率1−2%に抑えられており、年率2−3%のトータルリターンを確保しています。
また、債券での運用から一歩踏み込んでリスクを取れる場合、基準価額の下落率を3カ月でマイナス2%程度に抑える『クルーズコントロール』<2012102603>(★★、評価基準日=2月29日)や、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑える『投資のソムリエ』<2012102602>(★★★、評価基準日=2月29日)といった、市況に応じて資産配分を動かす“動的バランス”も選択肢になると思います」と語る。
ベアリング投信投資顧問の執行役員投信営業部長の豊田直樹氏は、「安定的な運用という投資目的に適うファンドに『BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(毎月決算型)』(愛称:ウィンドミル)<1998042806>(★★★★、評価基準日=2月29日)があります。世界の投資適格な公社債に投資し、各通貨の中・長期的な見通しに基づいて為替変動リスクを管理することによって安定的な運用をめざすファンドです。
1998年4月の設定で17年を超える歴史がありますが、この間に5年間保有した場合、基準価額がマイナス(下落)に陥ったことがなく、5年間保有の平均騰落率は年率換算4.6%でした。為替管理については、2008年9月のリーマン・ショック以降は、おおむねフルヘッジにして円高の影響を回避する運用を行っています。5年間保有でマイナスがないという運用実績は、NISA(少額投資非課税制度)での運用にも良くマッチしていると思います」と語った。
(下)へつづく
提供:モーニングスター社
銀行預金は普通預金金利が0.001%、定期は1年でも10年でも、300万円未満も大口も一律で0.01%になってしまった。このような環境で、安定的な運用成果を求める投資家は、どのような視点で商品を選べば良いのだろう? 運用会社の商品企画担当者にヒアリングした。
野村アセットマネジメント投資信託営業統括部プロダクト企画チーム シニア・マネージャーの河邉隆宏氏は、「マイナス金利という経験のない環境を迎えたいまは、ベーシックな分散ポートフォリオをスタートさせるきっかけになると思います。すでに投資をしている方々は、保有資産に偏りがある場合は、足りない資産を補うなど分散ポートフォリオの再構築を考えましょう。投資の目的やリスク許容度によって、選択する資産クラスや配分比率が異なってきます。分散投資のポートフォリオについて、証券会社や銀行の窓口で相談されるのもひとつの方法です。また、運用期間に応じた分散ポートフォリオで運用するターゲットデートファンドも選択肢になります。
4月1日に『野村 ターゲットデートファンド2016(愛称『未来図』)』を設定します。このファンドは、運用開始直後はリスクを低くスタートし、徐々にリスクを引き上げ、目標が近づくと再びリスクを引き下げるという運用をします。投資をスタートさせる方にご検討いただきたい」と語った。
DIAMアセットマネジメントの投信企画部課長の積木利浩氏は、「リスクを徹底的に抑えて安定的に運用するニーズに答えられるファンドの1つに『DLIBJ 公社債オープン(中期コース)』<1999121402>(★★★★★、評価基準日=2月29日)があります。現在のポートフォリオは国債50%と事業債50%で、事業債(BBB−格以上)の信用リスクを取る、また、先物を使ってデュレーションをコントロールすることによって国債利回り+αのリターンをめざしております。結果的にボラティリティは年率1−2%に抑えられており、年率2−3%のトータルリターンを確保しています。
また、債券での運用から一歩踏み込んでリスクを取れる場合、基準価額の下落率を3カ月でマイナス2%程度に抑える『クルーズコントロール』<2012102603>(★★、評価基準日=2月29日)や、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑える『投資のソムリエ』<2012102602>(★★★、評価基準日=2月29日)といった、市況に応じて資産配分を動かす“動的バランス”も選択肢になると思います」と語る。
ベアリング投信投資顧問の執行役員投信営業部長の豊田直樹氏は、「安定的な運用という投資目的に適うファンドに『BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(毎月決算型)』(愛称:ウィンドミル)<1998042806>(★★★★、評価基準日=2月29日)があります。世界の投資適格な公社債に投資し、各通貨の中・長期的な見通しに基づいて為替変動リスクを管理することによって安定的な運用をめざすファンドです。
1998年4月の設定で17年を超える歴史がありますが、この間に5年間保有した場合、基準価額がマイナス(下落)に陥ったことがなく、5年間保有の平均騰落率は年率換算4.6%でした。為替管理については、2008年9月のリーマン・ショック以降は、おおむねフルヘッジにして円高の影響を回避する運用を行っています。5年間保有でマイナスがないという運用実績は、NISA(少額投資非課税制度)での運用にも良くマッチしていると思います」と語った。
(下)へつづく
提供:モーニングスター社