<J−REIT>ボラティリティを警戒しながらも割安銘柄に集中投資=DIAMアセットマネジメント(下)

 「DIAM J−REITオープン(毎月決算コース)」(愛称:オーナーズ・インカム)<2003122501>(★★★、評価基準日=2月29日)を運用するDIAMアセットマネジメント 株式運用本部REIT運用グループ グループリーダーの佐藤紀行氏に聞いた。

 (上)からつづく

 ――「DIAM J−REITオープン」の運用の特徴は?

 J−REITの定量モデルを使って算出した理論価格を考慮しながら割安な銘柄を組み入れるバリュー投資を行っています。現在のJ−REIT市場を当社が使っている定量モデルで分析すると、オーバーバリューになっている銘柄も少なくありません。このような割高銘柄のウエートを落としてより割安な銘柄に選別して投資するような運用を心がけています。

 ――ファンドの過去のパフォーマンスを見ると、過去トータルリターンが、J−REITファンド平均をやや下回る期間が一時期ありますが、過去1年ではカテゴリー平均を上回る成績です。これは、過去J−REIT市場がバリュー投資に向かない局面もあったということでしょうか?

 5年前頃から一時期の成績がカテゴリー平均を下回ってしまった背景には、今となっては懐かしいくらいですが、2010年と2011年にファンドの新規買い付け申し込みを一時停止したことが大きく影響しています。2010年までは、ファンドのパフォーマンスが良かったこともあって大変な人気を集めました。それに対し、J−REIT市場の時価総額などを勘案した市場流動性を考慮した結果、あまりに新規の申し込みをいただいたため、やむなく一時的に買い付け申し込みを見合わせる措置を取らざるを得なくなったことが2度ありました

 しかし、その後、良好な市場環境下で大きく上昇していた当ファンドに利食い売りが集中して出ると、短期間で純資産残高が半分に減ってしまう事態までありました。まさにそうした期間は、新規の資金流入が当然ゼロですので、解約資金の払い出しのために、連日、保有銘柄を売却してキャッシュ化する必要があったので、その売却による保有銘柄の下押し圧力によりパフォーマンスが市場インデックスを下回る結果になってしまいました。その時のアンダーパフォームが一時期パフォーマンスの足を大きく引っ張っていました。今となっては苦い経験になっています。

 したがって、J−REITにバリュー投資が効かないということではありません。落ち着いた運用ができるようになった、直近1−2年ではパフォーマンスが大きく改善しています。外部成長力を問われる相場局面等ではバリユー銘柄よりグロース銘柄が注目されることもありますが、中期的にはバリユー投資がより有効だと思います。

 ――当面の運用方針は?

 銘柄を精査して割安銘柄に選別投資することで超過収益が出せる環境にあると考えています。割安銘柄の集中投資に徹し、じっくりと銘柄を保有する戦略を推し進めます。

 賃料はオフィスを中心に上昇傾向にあり、資金の調達コストも歴史的な低水準にあるため、J−REITの業績には追い風です。ホテルなどのセクターは利益成長が見込まれ、値上がり期待もあります。ただ、かなり高い水準に買われている銘柄もありますので、個々の銘柄の価値を見極めた投資が重要になります。
提供:モーニングスター社
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