新興国に回復の兆し、年初から3カ月連続利下げのインドネシアに注目

 15年は米国の利上げを前に景気減速懸念から資金が流出し、大きく下落した新興国関連ファンドも、16年に入ると国により方向性は異なるものの、回復の兆しが出てきた。

 16年の年初来リターン(16年1月4日−3月24日)は景気減速が指摘される中国(株式型−14.6%、債券型−3.6%)や、企業や銀行の債務問題に苦しむインド(同−12.3%、同−5.5%)が大幅に下落する一方、資源価格の反発をきっかけにブラジル(同6.8%、同5.4%)やロシア(同4.9%、同2.3%)が大きく上昇した(注)。こうしたなか、経済状況に改善がみられるインドネシア(同5.0%、同3.9%)に注目した。

 インドネシアは世界第4位の人口を誇り、豊富な労働力が経済を支えている。また、GDP(国内総生産)の5割以上を内需(民間消費)が占め、輸出に過度に依存していない点も魅力。直近では、14年に就任したインドネシア初の「庶民派」(軍や富裕層出身ではない)として人気の高いジェコ大統領の改革により政治が安定してきている。

 特に注目は金融政策。通貨防衛のために引き上げていた政策金利を、米国の利上げ後16年1月にいち早く引き下げた。懸念された通貨安は起こらず、年初の波乱相場のなかでも底堅く推移したことで、その後も3カ月連続で利下げを実施している(7.50%→6.75%)。利下げは企業の投資や内需の活発化が見込まれ、今後の同国の経済を後押しすることが期待されている。

 インドネシアのみに投資する関連ファンドのなかで年初来リターンを確認すると、株式型では、「インドネシア株式ファンド」<2010052702>が6.68%と8本中第1位となった。債券型では、「国際 インドネシア債券オープン(毎月決算型)」<2011120801>が4.92%と11本中第1位となった。

 注:年初来リターンは、国内公募追加型株式投資信託(確定拠出年金向けおよびファンドラップ専用、ETF除く)のうち、モーニングスター類似ファンド分類「国際株式・ブラジル」「国際株式・ロシア」「国際株式・インド」「国際株式・中国」に属するファンドの平均値、そのほかはモーニングスター類似ファンド分類「国際債券・エマージング単一国」「国際株式・エマージング単一国」に属するファンドのうち、ファンド名に国名を含むものの平均値。すべて為替ヘッジなしが対象。
提供:モーニングスター社
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