<★★★★★>「マイ・ロード」、安定収益のターゲットリスクを追求するシンプルなバランスファンド(下)

 野村アセットマネジメントが運用する「マイ・ロード」<2011041101>(★★★★★、評価基準日=3月31日)の特徴について、野村アセットマネジメント アドバイザリー運用部のポートフォリオ・マネージャーの野中端氏に聞いた。

 (上)からつづく

 ――2016年3月末のポートフォリオでは、国内債券の配分比率が61%と最も大きな比率になっていますが、日銀のマイナス金利政策によって国内債券の利回りがマイナス圏に沈むようになりました。この対応は?

 マイナス金利政策の影響は、これまでのところファンドの運用の支障にはなっていません。ただ、国内債券の期待リターンが低下してゆく場合には、ファンドのパフォーマンスにとっては向かい風ですので、モデルによる評価により、組み入れ比率が低下してゆくことが想定されます。

 ファンドの運用においては、各資産クラスの評価は、パフォーマンスに加え、他の資産との相関関係によるリスクコントロールの役割など、さまざまな観点から総合的に判断しています。現在のところ、国内債券はもっともリスクが低い資産クラスとしての役割を、これまでどおり担っていけると考えています。

 しかし、今後、一段とマイナス金利が深くなっていくなど、状況が変化した場合は、これまでと同様の扱いができなくなるかもしれません。マーケット環境やファンド運用への影響について、さまざまな観点で分析を継続し、対応してゆく必要があると考えています。

 ファンドの資産配分比率については、「国内株式」「外国株式」「世界リート」への投資比率は合計で25%以内という制限を設けていますが、そのほかは特に制限はありません。安定した収益が確保できるというリスク水準を追求して運用環境の変化に備えたいと思います。

 ――当面の運用方針は?

 ファンドは計量モデルに基づく運用なので、運用環境の変化に応じて、何か新たな方針を決めるものではありません。これまで通りに、モデルによって最適化された資産配分比率に沿って、定期的なポートフォリオの見直しを行いながら運用していきます。

 ファンドは1年程度の短い運用期間を想定しているわけではなく、例えば10年、20年といった長期の運用を想定しています。そのため、ファンドが投資対象とする市場についても、バブルやショックなどさまざまな局面を含む長期的な特性を捉えられるようにモデルを構築しています。市場の変化については、従来通り定期的な見直し、すなわち最適化のプロセスを継続することによってポートフォリオに反映されると考えています。

 初めて投資をされる方が最初のファンドとして運用したり、NISA(少額投資非課税制度)を活用して投資される方もいらっしゃると思います。また、大きなリスクを取って、資産を減らしたくないとお考えの方にも、リスクを抑えて運用する「マイ・ロード」をご活用いただいているのではないでしょうか。

 2011年4月の設定から、2015年末までの年間騰落率は、年率換算の平均リターンで5.4%でした。また、設定日から毎月末に1万円を積立投資した場合、2015年12月末までに投資総額は57万円、積立金額の評価額は約65万円になります。リスクを抑えながら運用する「マイ・ロード」の安定した収益のイメージをつかんでいただけると思います。

 現在、日本は預貯金の金利が0.0数%台に沈み込むなか、インフレ率に金利収入では足りない状況になっています。今後、日銀のめざす2%のインフレ率になるのであれば、2%を超える期待リターンがないと、実質的な資産価値は目減りしてしまいます。そのような時代にあって、資産を守るための手段の一つとして、リスクを抑えて安定的に運用する「マイ・ロード」の活用をご検討いただければ幸いです。
提供:モーニングスター社
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