アジアのハイ・イールド債ファンドで高レーティング増加、6月は新たに3本が5つ星に

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けおよびラップ口座専用、ETF等除く)のうち、16年6月(以下、同月)末時点でモーニングスターがレーティング対象とするファンドは2816本(全ファンド中65%)あり、純資産総額は40兆円(同84%)となった。同月の純資金流出入額(推計値)では2つ星以下は合計で1003億円の流出超過となる半面で3つ星は690億円の流入超過、4つ星以上は1679億円の流入超過と、レーティング上位のファンドへ資金が流入する傾向が続いている。

 6月末時点の純資産額が10億円以上、かつ前月末とカテゴリーが同一のファンドは1757本あり、その中でレーティング上昇は179本、低下は143本、新規付与は35本だった。レーティングが上昇したファンドのうち、5つ星となったのは24本。うち3本はアジアのハイ・イールド債券に投資するファンドとなった。14年以降の原油価格の急落で、エネルギーセクターの比率が比較的大きい米国のハイ・イールド債ファンドはパフォーマンスが低迷したものの、対照的にアジアのハイ・イールド債に投資するファンドはエネルギー価格の影響を受けにくく、レーティング上位を獲得するファンドも増えてきている。

 アジアのハイ・イールド債ファンドのうち、レーティング上位(4つ星以上)のファンドの本数は16年6月末時点で15本と、過去1年で3倍以上に増加した。「NNアジア・ハイ・イールド債券円(毎月)」<2011120501>は、14年12月のレーティング付与開始から初の5つ星となった。当ファンドは、日本除くアジア企業が発行する米ドル建てハイ・イールド債を組み入れる。過去3年間のトータルリターン(年率)は5.98%と、モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり)」の平均を3.29%上回り67本中第3位、シャープレシオは1.17で同第7位と中期的に効率良くリターンを上げている。

 また、今回5つ星に上昇したファンドのうち、「高成長インド・中型株式ファンド」<2011083106>は、14年8月のレーティング付与開始から23カ月連続で4つ星以上を維持しており、今回2カ月ぶりの5つ星復帰となった。インドを代表する総合金融グループのコタック・マヒンドラグループが実質的な運用を担う。外需系が多い大型株でなくインドの中型株に主に投資することで、よりインド国内の成長の恩恵を受けることを目指す。16年6月末時点までの3年間のトータルリターン(年率)は23.44%と、カテゴリー「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」内の26本中、第2位。シャープレシオは0.92でカテゴリー内第1位と、相対的な運用の効率性も高い。

 新規付与の35本のうち、5つ星は1本で4つ星は5本。唯一5つ星となった「フィデリティ・USリート(資産成長)D(H無)」<2013061907>は、米国のREIT(不動産投資信託)に投資するアクティブファンドであり、ファンドの配当利回りがベンチマークである「FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引き前配当金込み/円ベース指数)」以上となることを目指して運用を行う。16年5月末時点の組入は63銘柄で、組み入れ上位はトランクルームのパブリック・ストーレッジが5.4%、ショッピングモールのサイモン・プロパティー・グループが5.0%など。同6月末までの過去3年間のトータルリターン(年率)は13.62%と、カテゴリー「国際REIT・特定地域(為替ヘッジなし)」平均を6.02%上回り、カテゴリー内40本中第3位の高いパフォーマンスとなっている。
提供:モーニングスター社
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