<★★★★★>DLIBJ公社債オープン(中期コース)、あらゆる市況に対応し得るアクティブ運用力を発揮
DIAMアセットマネジメントが運用する「DLIBJ公社債オープン(中期コース)」<1999121402>(★★★★★、評価基準日=6月30日)は、16年6月末基準評価でレーティング5つ★になり、15年2月末以来17カ月連続で5つ★を継続している。10年(年率)トータルリターンは2.88%と、カテゴリー(国内債券・中長期債)平均2.14%を上回りトップの成績。ファンド オブ ザ イヤー2001優秀ファンド賞、ファンド オブ ザ ディケイド2013を受賞している。同ファンド運用の特徴について、同社の債券運用本部債券戦略運用グループ上席ファンドマネジャーの山崎信人氏に聞いた。
――ファンドの特徴は?
1999年12月の設定当時は、現在と同様にゼロ金利時代だったが、「MMF」や「短期公社債投信」以外に円債で運用するファンドはほとんどなかった。ゼロ金利でも、リスクがあまり大きくなく、かつ「安定利回り志向」ニーズに応えるファンドとして企画した。
「NOMURA−BPI総合」をベンチマークとするが、種別選択では社債の比率を高め、個別の組み入れ銘柄選定なども相当アクティブにしている。また、BBB−格以上の公社債が投資対象銘柄だが、局面によっては投資先として安全性の高い国債などの組み入れを増やすなど、信用リスクや金利リスクもアクティブにコントロールしている。
また、先物ヘッジ戦略を採用し、金利上昇局面でも金利リスクを抑え、収益を稼ぎ出す仕組みにした。デュレーションは先物を使って、現在は約1−12年の範囲でコントロールしている。そして、購入時の手数料をゼロとし、長期の運用に資することをめざして年2回決算型のファンドにした。
一方、運用チームはファンド設定来、約16年にわたって変わらないメンバーで運用してきている。さまざまな局面を経験し、折々での対応について共通の経験を持っていることが、意思決定の速さや安定的な運用実績につながっている。当社の特徴である投資顧問部門の広範なリサーチインフラを使って国内外のマクロ分析や信用リスク分析の結果を運用に生かしている。運用グループでは30通貨以上におよぶ幅広い外債に投資するファンドも担当しているが、外債・為替運用で得られる各国の情報は、円債運用でも貴重な情報になるケースが多い。
――マイナス金利政策による運用への影響は?
ファンドの最終利回りは、ファンドの収益源としては、1年間に得られる利息収入以上の意味はない。マイナス金利導入前から国内金利水準は低かったこともあり、当ファンドのようなデュレーションがある程度長めのファンドにとって、マイナス金利になったことが基準価額に直接与える影響は、ほとんどないのが実態だ。
たとえば、ファンドの最終利回りは、15年12月末に0.52%だったが、3月末に0.28%、6月末で0.09%だ。最終利回りが今後0.1%まで低下しても、基準価額1万円に対し10円の変動要因にすぎない。ところが、デュレーション約9年のポートフォリオでは、市場金利が0.1%変動した場合は基準価額が約90円も動いてしまう。この金利変動による影響が最も大きい。
また、イールドカーブの変動、ロールダウン効果、そして、信用リスクスプレッドの変動など、これらを総合的に活用しながら運用しているため、金利の水準がマイナス圏に入っても、収益を上積みする運用の手段や機会は、これまで同様に多く存在する。
デュレーションの短いファンド(MMFなど)やアクティブ度の低いファンドなどがマイナス金利の影響を受けるといえるが、当ファンドはさまざまな市況変動に耐え得るアクティブな運用手段を持っているため、変わらぬ運用を継続することができる。また、例え将来金利が上昇する局面になっても、デュレーションを最短約1年までと大幅に短くすることにより対応できる。
――当面の運用方針は?
現物債券のポートフォリオは、プラス利回りの超長期国債と事業債中心に投資している。事業債は超長期債だと信用リスクがあるため、国債利回りがマイナス圏にある10年以内などの債券中心に投資する。現在、事業債への投資比率は50%程度だが、市場環境に応じて国債と事業債のウエートは適宜見直す。
先物ヘッジ戦略は、トレンドとしての金利上昇リスクは考えていないものの、各種経済指標の発表や国債入札などの需給要因で短期的に金利上昇リスクがあることに対応して短期的なヘッジポジションを機動的にとっている。引き続き、金利変動リスクに対して十分な運用管理を行い、安定的な成績を重ねていきたい。
提供:モーニングスター社
――ファンドの特徴は?
1999年12月の設定当時は、現在と同様にゼロ金利時代だったが、「MMF」や「短期公社債投信」以外に円債で運用するファンドはほとんどなかった。ゼロ金利でも、リスクがあまり大きくなく、かつ「安定利回り志向」ニーズに応えるファンドとして企画した。
「NOMURA−BPI総合」をベンチマークとするが、種別選択では社債の比率を高め、個別の組み入れ銘柄選定なども相当アクティブにしている。また、BBB−格以上の公社債が投資対象銘柄だが、局面によっては投資先として安全性の高い国債などの組み入れを増やすなど、信用リスクや金利リスクもアクティブにコントロールしている。
また、先物ヘッジ戦略を採用し、金利上昇局面でも金利リスクを抑え、収益を稼ぎ出す仕組みにした。デュレーションは先物を使って、現在は約1−12年の範囲でコントロールしている。そして、購入時の手数料をゼロとし、長期の運用に資することをめざして年2回決算型のファンドにした。
一方、運用チームはファンド設定来、約16年にわたって変わらないメンバーで運用してきている。さまざまな局面を経験し、折々での対応について共通の経験を持っていることが、意思決定の速さや安定的な運用実績につながっている。当社の特徴である投資顧問部門の広範なリサーチインフラを使って国内外のマクロ分析や信用リスク分析の結果を運用に生かしている。運用グループでは30通貨以上におよぶ幅広い外債に投資するファンドも担当しているが、外債・為替運用で得られる各国の情報は、円債運用でも貴重な情報になるケースが多い。
――マイナス金利政策による運用への影響は?
ファンドの最終利回りは、ファンドの収益源としては、1年間に得られる利息収入以上の意味はない。マイナス金利導入前から国内金利水準は低かったこともあり、当ファンドのようなデュレーションがある程度長めのファンドにとって、マイナス金利になったことが基準価額に直接与える影響は、ほとんどないのが実態だ。
たとえば、ファンドの最終利回りは、15年12月末に0.52%だったが、3月末に0.28%、6月末で0.09%だ。最終利回りが今後0.1%まで低下しても、基準価額1万円に対し10円の変動要因にすぎない。ところが、デュレーション約9年のポートフォリオでは、市場金利が0.1%変動した場合は基準価額が約90円も動いてしまう。この金利変動による影響が最も大きい。
また、イールドカーブの変動、ロールダウン効果、そして、信用リスクスプレッドの変動など、これらを総合的に活用しながら運用しているため、金利の水準がマイナス圏に入っても、収益を上積みする運用の手段や機会は、これまで同様に多く存在する。
デュレーションの短いファンド(MMFなど)やアクティブ度の低いファンドなどがマイナス金利の影響を受けるといえるが、当ファンドはさまざまな市況変動に耐え得るアクティブな運用手段を持っているため、変わらぬ運用を継続することができる。また、例え将来金利が上昇する局面になっても、デュレーションを最短約1年までと大幅に短くすることにより対応できる。
――当面の運用方針は?
現物債券のポートフォリオは、プラス利回りの超長期国債と事業債中心に投資している。事業債は超長期債だと信用リスクがあるため、国債利回りがマイナス圏にある10年以内などの債券中心に投資する。現在、事業債への投資比率は50%程度だが、市場環境に応じて国債と事業債のウエートは適宜見直す。
先物ヘッジ戦略は、トレンドとしての金利上昇リスクは考えていないものの、各種経済指標の発表や国債入札などの需給要因で短期的に金利上昇リスクがあることに対応して短期的なヘッジポジションを機動的にとっている。引き続き、金利変動リスクに対して十分な運用管理を行い、安定的な成績を重ねていきたい。
提供:モーニングスター社