<★★★★★>アジア社債ファンドBコース、アジアでトップクラスの運用拠点が個別銘柄を徹底調査

 日興アセットマネジメントが運用する「アジア社債ファンドBコース」<2012112102>(★★★★★、評価基準日=6月30日)は15年11月末基準でモーニングスターレーティング最高格付け5つ★になって以来、6月末まで8カ月連続で5つ★をキープしている。3年(年率)トータルリターンが6.54%とカテゴリー(国際債券・エマージング・複数国(F))平均(0.39%)を大きく上回る。同ファンドについて、日興アセットマネジメントの資産運用サポート推進部グループマネージャー、渡邊浩行氏に聞いた。

 ――「アジア社債ファンドBコース」の優れた運用成績の背景は?

 運用を担当する日興アセットマネジメント アジア リミテッドの運用力がポイントだ。シンガポールを拠点として、当社のアジア運用のハブとして位置づけている。設立は82年だが、11年秋に現地のDBS銀行傘下のDBSアセットマネジメントを買収し、経営統合を行ったことで総勢約120名という現地で屈指の運用会社になった。

 債券運用チームは13名で、平均運用経験年数は13年以上。アジア債券には格付けがない銘柄も多いことから、企業訪問など地道な調査によって独自の格付けをして信用リスク管理をするなど、クレジットリサーチを重視して運用している。

 このチームは、長年の運用経験を通じて各国の中央銀行、政策決定者、シンクタンクや企業などと良好な関係を構築し、これらネットワークをリサーチに生かすなど、経験豊かなチームの存在がパフォーマンスに寄与している。このチームが調査してファンドに組み入れた銘柄で、デフォルトに陥った銘柄は過去1銘柄もない。

 6月末時点のポートフォリオでは、投資適格社債64%、ハイ・イールド債26%、残りをキャッシュという比率だが、環境に応じて、トップダウンで柔軟に投資比率を変更することも運用の特徴のひとつだ。

 ――アジアの社債市場の現状は?

 アジアの社債は、域内投資家の投資需要がおう盛で、特に当ファンドの主たる投資対象であるドル建て社債は米ドルへの需要が強い域内の銀行による需要が強く、アジア社債の下支え要因になっている。

 また、先進国の超低金利によって、相対的に利回り水準の高いアジア債券への需要が高まっているほか、アジア各国の金融政策は、インドネシア、インド、中国などが緩和傾向にあり、これがアジアの債券市場のプラス要因として働いている。

 加えて、アジア債券でシェアの大きな中国において、従来のドル建て起債を人民元建てに移行する動きが出てきている。米国が利上げ局面にあるなかで、中国は緩和政策をとっていることから発行コストの面でも元建てを選択するニーズは高まっている。このため、米ドル建て社債市場に品薄感が感じられることも、社債価格の安定につながっている。

 一方、アジアのハイ・イールド債はアジア各国の格付けが低いことからソブリンシーリング(企業の信用格付けは、その国の政府を上回ることができない)が働き、準国営企業であってもハイ・イールドに格付けされるケースがある。先進国のハイ・イールド債の発行体とは信用リスクの面で質的に異なり、デフォルトのリスクは先進国のハイ・イールド債よりも低い。かつ、国の発展に伴う格上げ期待もあることも魅力だ。

 ――今後の見通しは?

 アジアの社債市場は、これからのマーケットとして域内のみならず、世界の投資家から注目されている。ちょうど、日本の昭和時代に「公社」と呼ばれていた会社が民営化したように、アジア地域においても国営企業に民営化の流れが強まっている。一段の成長を目指した起債意欲も旺盛なため、社債市場の拡大は続く見通しだ。

 また、世界的な低金利によって、アジアの投資適格社債やハイ・イールド債については旺盛な投資需要がある。ちょうど、6月下旬のBrexit(英国のEU離脱)騒ぎの時にも、先進国や新興国の株式市場が大きく売られ、米ハイ・イールド債も下落した中にあって、米ドル建てアジア社債市場は比較的堅調に推移したということがあった。このように域内のみならず、世界の資金も流入して、アジア社債市場は引き続き堅調な展開が期待できると考える。

 ただ、Bコースは為替ヘッジをしていないため、為替変動による影響を受ける。過去1年間のパフォーマンスがマイナス圏にあるのは為替の円高の影響を受けた結果だ。この点は留意していただきたい。為替ヘッジをしたAコース<2012112101>(★★★★★、評価基準日=6月30日)も併せてご検討ください。
提供:モーニングスター社
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