<★★★★★>SMAM「泰平航路1年決算型」、波乱に強い高格付け社債で「利回り」ニーズに応える
三井住友アセットマネジメントが設定・運用している「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型/1年決算型)」(愛称:泰平航路1年決算型)<2013082807>が、8月末基準でモーニングスターレーティング最高格付★★★★★に格付けされた。3年(年率)トータルリターンが3.72%でカテゴリー(国際債券・北米<H>)平均(1.99%)を大きく上回り、カテゴリーでトップの成績だった。同ファンドの主担当ファンドマネージャーである三井住友アセットマネジメント 債券運用グループ副ヘッドの原田和幸氏に、運用の現状について聞いた。
――毎月決算型の「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」<2009052908>(愛称:泰平航路、★★★★、8月末基準)はファンド オブ ザ イヤー2015の債券型部門で最優秀ファンド賞を受賞している。「泰平航路」は中・長期に好成績を残しているが、主要投資対象である米ドル建て高格付け社債の市場環境に変化は?
「泰平航路」は、アップルやコカ・コーラなど、有名な企業が発行している高格付け(A格相当以上)の米ドル建て社債を中心に運用している。銘柄リサーチから最終的な銘柄選択まで、すべてを社内で行っており、経験豊富なメンバーによる調査体制を最大限に活用しているところに特徴がある。
米ドル建て高格付け社債には、世界的な低金利で「利回り」を求める投資家の資金が集中している。マザーファンドのポートフォリオは、5月末現在で最終利回り2.22%だったものが、8月末には2.00%になるなど、資金流入による社債価格の上昇(金利の低下)が続いている状況だ。
運用スタンスとしては、当面の米国金利は大きくは動かないという見通しをベースに、ローリングイールドを取っていくことをメイン戦略にしたポートフォリオを組んでいる。低インフレ、低成長は世界市場のすう勢となっており、グローバルに金利は上がりにくい状態が続くだろう。このため、日本や欧州などマイナス金利政策を実施している国などから、米国に資金が流れるという動きは、当面続く見通しだ。
――9月の日米の中央銀行の政策決定会合の内容を、どのように見る?
日銀の発表によって、日本の低金利政策がさらに長く続くということが確認できた。
また、米国の金融政策は、景気が強いから景気の加速を抑えるために利上げするというのではなく、あくまで金利を正常化させるという過程にあると判断できる。金利を上げることができる局面では金利を上げて、政策金利を景気の状況に応じて変動させることができるようにしたいと考えているのだと思う。
社債を発行する企業の行動をみても、売上が伸びているというより、コストを下げて利益を確保するというスタンスの企業が多い。FRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断も、年内に利上げがあってもおかしくないが、あっても継続的なものにはならないと考えている。
――米大統領選がリスク要因になるという見方は?
トランプ大統領が誕生という可能性が高まると、米国市場がボラタイル(価格変動率が高まる)になる可能性はある。候補者の支持率の変化によって神経質な展開もあり得るが、「泰平航路」は、組み入れ銘柄の構成上、ボラタイルな市場に強いという性格がある。
そもそも投資適格社債の中で、信用リスクが低い高格付け社債に90%以上を投資していること。また、業種配分についても信用リスクに配慮して安定業種(電力、通信、運輸、食品、日用品など)を中心に投資している。信用リスクを抑えることを重視したうえで、利回りを求めるというスタイルなので、波乱があったとしても、それはファンドの優位性を目立たせるイベントになると思う。
――当面の運用の見通しは?
マザーファンドのポートフォリオは、高格付け社債のインデックスの利回りが3%程度のところ、信用リスクを抑えているために2.3%程度の水準になっている。ここに、ローリングイールドで0.7%−0.8%程度を上乗せし、銘柄選定の効果でプラスαの収益を乗せて、ドル建ての収益率で3%以上を目指したいと考えている。
一方、為替ヘッジコストは8月末時点で約1.3%程度だが、日本の短期金利が一段と低下する場合は、さらにヘッジコスト負担が増加するデメリットがある。
引き続き安定業種への投資配分を多めに、また、A格以上を中心に組み入れ、リスクを抑えたポートフォリオを維持し、為替ヘッジ型を選択しても、一定水準の安定収益を届けられるような運用に努めていく。
提供:モーニングスター社
――毎月決算型の「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」<2009052908>(愛称:泰平航路、★★★★、8月末基準)はファンド オブ ザ イヤー2015の債券型部門で最優秀ファンド賞を受賞している。「泰平航路」は中・長期に好成績を残しているが、主要投資対象である米ドル建て高格付け社債の市場環境に変化は?
「泰平航路」は、アップルやコカ・コーラなど、有名な企業が発行している高格付け(A格相当以上)の米ドル建て社債を中心に運用している。銘柄リサーチから最終的な銘柄選択まで、すべてを社内で行っており、経験豊富なメンバーによる調査体制を最大限に活用しているところに特徴がある。
米ドル建て高格付け社債には、世界的な低金利で「利回り」を求める投資家の資金が集中している。マザーファンドのポートフォリオは、5月末現在で最終利回り2.22%だったものが、8月末には2.00%になるなど、資金流入による社債価格の上昇(金利の低下)が続いている状況だ。
運用スタンスとしては、当面の米国金利は大きくは動かないという見通しをベースに、ローリングイールドを取っていくことをメイン戦略にしたポートフォリオを組んでいる。低インフレ、低成長は世界市場のすう勢となっており、グローバルに金利は上がりにくい状態が続くだろう。このため、日本や欧州などマイナス金利政策を実施している国などから、米国に資金が流れるという動きは、当面続く見通しだ。
――9月の日米の中央銀行の政策決定会合の内容を、どのように見る?
日銀の発表によって、日本の低金利政策がさらに長く続くということが確認できた。
また、米国の金融政策は、景気が強いから景気の加速を抑えるために利上げするというのではなく、あくまで金利を正常化させるという過程にあると判断できる。金利を上げることができる局面では金利を上げて、政策金利を景気の状況に応じて変動させることができるようにしたいと考えているのだと思う。
社債を発行する企業の行動をみても、売上が伸びているというより、コストを下げて利益を確保するというスタンスの企業が多い。FRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断も、年内に利上げがあってもおかしくないが、あっても継続的なものにはならないと考えている。
――米大統領選がリスク要因になるという見方は?
トランプ大統領が誕生という可能性が高まると、米国市場がボラタイル(価格変動率が高まる)になる可能性はある。候補者の支持率の変化によって神経質な展開もあり得るが、「泰平航路」は、組み入れ銘柄の構成上、ボラタイルな市場に強いという性格がある。
そもそも投資適格社債の中で、信用リスクが低い高格付け社債に90%以上を投資していること。また、業種配分についても信用リスクに配慮して安定業種(電力、通信、運輸、食品、日用品など)を中心に投資している。信用リスクを抑えることを重視したうえで、利回りを求めるというスタイルなので、波乱があったとしても、それはファンドの優位性を目立たせるイベントになると思う。
――当面の運用の見通しは?
マザーファンドのポートフォリオは、高格付け社債のインデックスの利回りが3%程度のところ、信用リスクを抑えているために2.3%程度の水準になっている。ここに、ローリングイールドで0.7%−0.8%程度を上乗せし、銘柄選定の効果でプラスαの収益を乗せて、ドル建ての収益率で3%以上を目指したいと考えている。
一方、為替ヘッジコストは8月末時点で約1.3%程度だが、日本の短期金利が一段と低下する場合は、さらにヘッジコスト負担が増加するデメリットがある。
引き続き安定業種への投資配分を多めに、また、A格以上を中心に組み入れ、リスクを抑えたポートフォリオを維持し、為替ヘッジ型を選択しても、一定水準の安定収益を届けられるような運用に努めていく。
提供:モーニングスター社