<★★★★★>「三菱UFJ日本国債ファンド」、日本国債の期待リターンにプラスα乗せる運用力を発揮
三菱UFJ国際投信が設定・運用する「三菱UFJ日本国債ファンド(毎月決算型)」<2010093001>は、8月末基準でモーニングスターレーティング最高格付け★★★★★に格付けされた。トータルリターンが5年(年率)3.29%、3年(年率)3.94%とカテゴリー(国内債券・中長期債)平均(5年=2.26%、3年=2.54%)を上回り、中長期に優れた成績だ。運用の現状と見通しについて、三菱UFJ国際投信の債券運用部チーフファンドマネジャーの小口正之氏に聞いた。
――ファンドが優れた運用成績を残している理由は?
残存20年程度までの国債を組み入れて運用している。特に残存20年の国債をどのように運用していくのかということがパフォーマンスに大きくかかわるポイントになっている。
1月に日銀がマイナス金利政策の導入を決定したことを受けて、超長期国債の保有を多めにしたため、その後の超長期国債を中心とした金利低下によるイールドカーブ(利回り曲線)のブルフラット(長短金利差が縮小)局面でのリターンが高まった。その後、7月に20年国債利回りが一時的にマイナスになるなどさらに金利低下が進んだ局面では、20年国債の保有比率を引き下げたことで、7月29日に日銀が総括的な検証を行うと発表したことなどによるイールドカーブのスティープ化(長短金利差が拡大)局面では、収益ダメージを抑えることができた。
運用ポートフォリオについては、マクロ分析チームの分析結果などに基づいてファンドマネージャーが判断して組み入れ比率の調整などを行っているが、相場の流れをよく捉えた判断ができていると思う。
――運用にあたっては「残存期間20年程度までの国債を年限ごとに分散して組み入れる」という投資手法を採用しているが、この運用手法の効果は?
20年までの国債で運用しているため、5年ゾーン、10年ゾーンなど、国債の市場金利が残存年限によって強弱がつくことに対応し、分散して保有することによってリスクをコントロールしている。国債の市場では、イールドカーブがフラット化(長短金利差が縮小)したりスティープ化(長短金利差が拡大)したり、また年限ごとに異なる動きをするなど、様々に変化している。イールドカーブ分析により、割高・割安を判断し、保有している国債の年限入替を行いながら運用を行なっている。
ファンドは国内の国債のみで運用しているため、社債などの信用リスクをとることがない。また、NOMURA−BPI指数をベンチマークにしているファンドでは、30年や40年という超長期債を組み入れることもあるが、残存期間が長くなるほど価格変動率が大きくなるというリスクがある。そのような超長期債の価格変動リスクを避けた運用を行っている。したがって、20年までの国債市場の動向をきめ細かく見ながら、柔軟な運用で収益を積み重ねるようにしている。
――9月の日銀政策決定会合で、10年国債の利回りをゼロ%で維持し、イールドカーブのコントロールをするという方針が示された。運用への影響は?
日銀が実際にどのように動き、それに対して市場がどのように反応するのかを注意深く見守っているところ。日銀が「10年物国債金利がおおむね現状程度(ゼロ%)で推移するように長期国債の買入を行なう」ことにより、金利低下も一定にとどまる一方で、急速で過度な金利上昇を抑える効果もあると思う。
今後、日銀のオペレーションによって、イールドカーブがスティープ化した状態を保って落ち着けば、ローリング効果(長短の金利差を利用して購入した長期債を一定期間経過後に売却することで利回りを向上させる効果)が効く環境が保たれることになる。これは、ファンドの運用にはプラスの環境ということができる。
――当面の運用方針は?
引き続き、安定的な収益を重ねられるように努めていく。国債の市場利回りが大きく低下したことで、日本国債の期待リターンの水準は下がってきているが、イールドカーブの変化を捉えて機動的に動いてプラスの収益を上乗せしていきたい。
日銀の新しい金融政策によって、当面、金利は大きく下がることも、上がることもない安定した動きが続くことになると考えられる。その環境に応じた安定収益をめざしていく。
提供:モーニングスター社
――ファンドが優れた運用成績を残している理由は?
残存20年程度までの国債を組み入れて運用している。特に残存20年の国債をどのように運用していくのかということがパフォーマンスに大きくかかわるポイントになっている。
1月に日銀がマイナス金利政策の導入を決定したことを受けて、超長期国債の保有を多めにしたため、その後の超長期国債を中心とした金利低下によるイールドカーブ(利回り曲線)のブルフラット(長短金利差が縮小)局面でのリターンが高まった。その後、7月に20年国債利回りが一時的にマイナスになるなどさらに金利低下が進んだ局面では、20年国債の保有比率を引き下げたことで、7月29日に日銀が総括的な検証を行うと発表したことなどによるイールドカーブのスティープ化(長短金利差が拡大)局面では、収益ダメージを抑えることができた。
運用ポートフォリオについては、マクロ分析チームの分析結果などに基づいてファンドマネージャーが判断して組み入れ比率の調整などを行っているが、相場の流れをよく捉えた判断ができていると思う。
――運用にあたっては「残存期間20年程度までの国債を年限ごとに分散して組み入れる」という投資手法を採用しているが、この運用手法の効果は?
20年までの国債で運用しているため、5年ゾーン、10年ゾーンなど、国債の市場金利が残存年限によって強弱がつくことに対応し、分散して保有することによってリスクをコントロールしている。国債の市場では、イールドカーブがフラット化(長短金利差が縮小)したりスティープ化(長短金利差が拡大)したり、また年限ごとに異なる動きをするなど、様々に変化している。イールドカーブ分析により、割高・割安を判断し、保有している国債の年限入替を行いながら運用を行なっている。
ファンドは国内の国債のみで運用しているため、社債などの信用リスクをとることがない。また、NOMURA−BPI指数をベンチマークにしているファンドでは、30年や40年という超長期債を組み入れることもあるが、残存期間が長くなるほど価格変動率が大きくなるというリスクがある。そのような超長期債の価格変動リスクを避けた運用を行っている。したがって、20年までの国債市場の動向をきめ細かく見ながら、柔軟な運用で収益を積み重ねるようにしている。
――9月の日銀政策決定会合で、10年国債の利回りをゼロ%で維持し、イールドカーブのコントロールをするという方針が示された。運用への影響は?
日銀が実際にどのように動き、それに対して市場がどのように反応するのかを注意深く見守っているところ。日銀が「10年物国債金利がおおむね現状程度(ゼロ%)で推移するように長期国債の買入を行なう」ことにより、金利低下も一定にとどまる一方で、急速で過度な金利上昇を抑える効果もあると思う。
今後、日銀のオペレーションによって、イールドカーブがスティープ化した状態を保って落ち着けば、ローリング効果(長短の金利差を利用して購入した長期債を一定期間経過後に売却することで利回りを向上させる効果)が効く環境が保たれることになる。これは、ファンドの運用にはプラスの環境ということができる。
――当面の運用方針は?
引き続き、安定的な収益を重ねられるように努めていく。国債の市場利回りが大きく低下したことで、日本国債の期待リターンの水準は下がってきているが、イールドカーブの変化を捉えて機動的に動いてプラスの収益を上乗せしていきたい。
日銀の新しい金融政策によって、当面、金利は大きく下がることも、上がることもない安定した動きが続くことになると考えられる。その環境に応じた安定収益をめざしていく。
提供:モーニングスター社