三井住友アセット「グローバルAIファンド」、設定2年間の成長でAIはブームからメガ・トレンドに進化

 三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「グローバルAIファンド」は2016年9月9日の設定から2年間を経過した。2018年9月末時点では、リターンは設定来で64.04%とグローバル株式(MSCI ACワールドインデックス(配当込み))の同期間リターン45.6%を大幅に超過し、純資産残高は3000億円を突破した(2017年2月設定の為替ヘッジありコースと合せると、計3560億円)。同ファンドの魅力について三井住友アセトマネジメントの営業推進部兼投信マーケティング第2部担当部長である釜地康夫氏に聞いた。

 ――ファンド設定の意図と、ファンドの特徴は?

 2016年にファンドを設定した当時は、ロボティクスを先駆けに、テクノロジー関連のテーマ型ファンドの開発が活発だった。自動運転、フィンテック(金融のIT化)など、大きな技術革新をテーマとしたファンドが企画されたが、当社では技術の進歩に欠かせない「頭脳」であるAI(人工知能)に大きな可能性を感じ、「グローバルAIファンド」を設定した。

 ファンドは、世界の上場株式の中から、AIの進化、応用により高い成長が期待される企業の株式に投資する。ロボティクスも自動運転もフィンテックも、現在ではAIがその発展を支えているといっても良いような状況だ。「AI」はカバー範囲が広く、現在注目を集める各種投資テーマに含まれる多くの成長銘柄に投資が可能なファンドといえる。

 ――過去のパフォーマンスが良い理由は?

 AI関連企業の業績が総じて拡大し、株価が上昇していることが全てだ。

 ファンド設定当時は、囲碁やチェスでAIが人間に勝ったという程度の話題しかなかったが、ビッグデータとディープラーニング(深層学習)によってAIの機能が飛躍的に向上した。2010年頃から「第3次AIブーム」と言われたが、もはや、AIは社会にも広く浸透し、「ブーム」から「メガ・トレンド」に変化したと考えている。

 設定後2年間だけをみても、AIの目といえる画像認識はディープラーニングによって2015年頃に人間を超えたといわれるが、2017年3月にIBMが耳となる音声(自然言語)認識について、一段と人間に近づいたと発表した。目に加えて耳も人間を超えると、AIが人間の思考を超える時代がやってくることを予感させる。

 また、2017年5月にはエヌビディアがディープラーニングを高速で行えるAI開発用GPU(画像処理用半導体)を発表した。従来は、AI開発は専用のプラットホームが必要だと考えられ、開発は一部の事業者に限られていたが、AI開発用半導体によって、様々な企業が自社仕様でのAI開発を進め、飛躍的にAIの能力が向上し始めた。

 そして、2017年7月には、市販車として初めてレベル3の自動運転技術を搭載したアウディの「A8」が発売された。レベル1−2の自動運転では、自動運転のレベルが低いために自動運転時の責任はドライバーにあるが、レベル3では運転の責任が自動車に移る。それだけに、AIの搭載が必要不可欠になる。さらに、2018年4月には米国のFDA(食品医薬品局)がAI画像診断機器の判断を正式の診断と認めるAIドクターが承認された。

 ファンドの運用でも、設定当初の組み入れ国・地域は米国、フランス、日本の3カ国だったが、18年9月までには、中国、韓国、スイス、台湾を加えて7つの国・地域に拡大。また、当初は中小型株で約7割を占めるポートフォリオだったが、大型企業においてもAIからの収益比率が高まっているため、大型株式のウエートが5割弱に高まってきた。ファンドは、AIの発展を柔軟に捉えて、組み入れ銘柄とそのウエートを柔軟かつ、機動的に変更してきている。

 ――今後のAI市場の成長見通しは?

 AI発展トレンドのイメージでは、現在は「黎明期」にすぎないと考えている。2045年頃には、全ての分野でAIが人間の能力を超える「シンギュラリティー」に到達すると予想され、45年以降には全ての分野でAIが社会を変えていくことになるだろう。当ファンドには、そのような長期の目線で投資をしていただきたいと思う。

 また、ロボティクスやフィンテックなど、IT関連のテーマの全ての技術革新のためには必ずといっていいほどAIが使われている。当ファンドを保有していれば、ほとんどの情報技術関連の成長を享受することが可能と考えている。これから積立で資産形成を始める方にも、将来に向けて大きな成長が期待できるAIを、資産運用の一部としてご検討いただきたいと思う。
提供:モーニングスター社
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