“株安連鎖”高まる国内株との相関、北米・欧州株など5年で最高水準

 米国を中心に各国株式の値動きが不安定となる中、国内株式市場とその他の主要株式市場の連動性が高まっている。モーニングスターインデックスに基づきカテゴリー別に2018年11月時点の「国内大型ブレンド」との相関係数(*)を見ると、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」が0.88(2013年12月時点が0.75)「国際株式・欧州(為替ヘッジなし)」が0.86(同0.73)「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」が0.81(同0.68)となり、過去5年間では最高水準となっている。

 相関係数は1に近づくほど同じ値動き、−1に近づくほど逆の値動きとなる傾向があることを示すものだ。世界的に株安が連鎖する中で相関係数が高まっていることは国・地域の分散効果が低下していることを意味する。株式だけでなく、債券など異なる値動きをする資産への分散投資を行う重要性が一段と高まっていると言えそうだ。

 同じ条件で「国内大型ブレンド」と他のカテゴリーとの相関係数を算出してランキングしたところ、−1に近いカテゴリーのトップ5(ブル・ベア除く)は「国内債券・中長期債」の−0.47、「国際債券・物価連動債(為替ヘッジあり)」の−0.27、「国際債券・オセアニア(為替ヘッジあり)」の−0.26、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」の−0.24、「国内債券・短期債」の−0.04となった。

 国内債券は低金利とは言え、国内株式と併せて持つ場合に数少ない負の相関の資産と言える。また、株安・円高が同時に進むことが多いことから、国内株式と組み合わせる場合は海外の債券についても為替ヘッジありの方が分散効果は得られやすい。

 逆に、国内株式との相関係数が1に近いカテゴリーで注意したいのが、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」で、相関係数は0.80となっている。債券ではあるものの信用リスクが高い社債に投資することから、株安が進むリスク回避局面でパフォーマンスが悪化しやすい。また、分散投資先として注目されることも多い「ヘッジファンド」についても相関係数は0.81と新興国株式並みとなっており、比較的連動性は高くなっている。

(*)相関係数は2013年12月−2018年11月までの過去60カ月間の月次リターンに基づき算出(2018年11月は21日まで)
提供:モーニングスター社
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