国内のヘルスケア関連ファンドの現在地は!? 米ではハイテク株安で資金が向かう可能性も

 ヘルスケア関連ファンドの動向が注目される。米国ではハイテク株の軟調推移を受けて、ディフェンシブ性のあるヘルスケアセクターに資金が向かう可能性がある。2018年10月末時点の米国モーニングスターカテゴリー「米国セクター株式・ヘルスケア」の残高は1737億ドル(約19.6兆円)と「米国セクター株式・テクノロジー」の1465億ドル(約16.6兆円)を上回っており、ヘルスケアはテクロノジーと並ぶ主要セクターである。

 国内では“ヘルスケア”はテーマ型の一つとされる。足元は“AI(人工知能)”や“ロボット”に関心が移っている感もあるが、現在の状況を確認したい。

 国内公募追加型株式投信の中から、ファンド名に“ヘルス”“バイオ”“ゲノム”“メディ”が含まれるファンドを“ヘルスケア関連ファンド”として取り出したところ、2018年10月末時点で32本が確認された。関連ファンドが登場した2000年以降、本数は増加基調にあるが、暦年(2018年は10月末まで)の新規設定数を見ると、2016年の9本がピークで、2017、2018年は共に3本に留まっている。

 一方、純資産額の推移を見ると、「メディカル・サイエンス・ファンド」<2014080101>、「世界メディカル関連株式オープン」<2014090801>、「アジア・ヘルスケア株式ファンド」<2015011601>などの新規設定が寄与した2014年−2015年に急増(2014年は前年比5.1倍、2015年は同2.6倍)した後、2016年は減少したものの、2017年(同1.5%増)、2018年(同12.5%増)と緩やかに上昇している。

 以上から、ヘルスケア関連ファンドは数年前のブームを通過し、足元では一投資分野として着実に成長する段階に入りつつあるとみられる。とはいえ、新規にファンドが設定された場合には注目を集めることには変わりがない。2018年6月に設定された「フューチャー・バイオテック」<2018062502>の2018年10月末時点の純資産額が1562億円に達し、関連銘柄中トップである。
提供:モーニングスター社
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