ニッセイアセットが19日からESGファンドの運用を開始、既存ESGファンドの実力は?

 ニッセイアセットマネジメントの「日本株式ESG資産形成ファンド」が19日から運用を開始する。同ファンドは、ESGに対する取組みに優れ株価上昇が期待される国内企業に投資し、中長期的に「TOPIX(東証株価指数)(配当込み)」を上回る収益を目指す。

 ESG投資とは、投資判断に際して環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮するもので、SRI投資(社会的責任投資)の一つとされる。世界的に関心が高まる中、日本でも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2017年からESG投資を開始しており、注目度が高まっている。

 2018年11月末時点で、国内公募追加型株式投信の中でESG関連ファンドは43本(モーニングスター調べ)ある。国内ファンド全体に占める割合はまだ小さいが、2016年、2017年の各2本に対して、2018年は11月末までにすでに14本が設定されている。

 今後、設定ペースが加速するか注目されるところだが、運用期間3年以上のファンドを対象に、既存ESGファンドの現時点における実力を見ておきたい。

 運用期間が3年以上のファンドは20本あり、内訳はアクティブ19本、パッシブ1本である。アクティブ19本について、2018年11月末時点のモーニングスターレーティングの
平均を見ると2.8と、レーティングの付与されている国内アクティブファンド全体の平均2.9をわずかとはいえ下回った。また、2018年11月末時点のアクティブ19本の信託報酬等(税込)の平均をみると1.58%(年率)となり、国内アクティブファンド全体の平均1.55%を上回った。運用期間が3年以上の既存のESGアクティブファンドは、パフォーマンス面、コスト面ともにやや物足りない状況にある。

 とはいえ、運用期間が3年以上のESGアクティブファンド19本のうち、レーティングが4ツ星以上で、純資産額が10億円以上のファンドとしては、「朝日ライフ SRI社会貢献ファンド」<2000092804>と「しんきん SRIファンド」<2006120801>の2本がある。「朝日ライフ SRI社会貢献ファンド」は2000年9月に運用を開始した、SRIの先駆けファンド。中長期にわたって持続的な成長が見込まれる国内企業に投資する。「業界特性」「競争優位性」「ガバナンス」に着目して投資先の選定を行うため、ニッチな市場で高いシェアを築く企業が選好される傾向があり、投資先には中小型株が多い。2018年11月末時点の組入銘柄上位を見ると、スポーツクラブ運用の「東祥」やコールセンターなどBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を手掛ける「プレステージ・インターナショナル」などが見られる。「しんきん SRIファンド」は企業の社会的責任に着目して投資する。2018年11月末時点の組入銘柄上位には「ソニー」「NTT」など大型株が多い。
提供:モーニングスター社
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