長期金利が5カ月ぶり低水準、国内債券ファンドにはプラスか?

 14日の国内債券市場で、新発10年物国債利回りが前日比0.025%低い(価格は上昇)0.025%まで低下し、7月3日以来約5カ月ぶりの低水準となった。10年物国債利回りは、2017年11月末から2018年11月末までの1年間において、0.02−0.155%でのレンジ内で推移しているが、直近の世界経済の減速懸念による株安を受けて債券にリスク回避の買いが入り、レンジの下限に近付いている。米中摩擦が深刻化しているほか、日銀内で長期金利がゼロ%以下に低下するのを容認する声があるとの報道もあり、当面は下限近辺での推移しそうだ。

 国内公募追加型株式投信のうち、国内債券に投資する「国内債券・中長期債」「国内債券・短期債」「国内債券・転換社債」「国内債券・物価連動債」の4つのモーニングスターカテゴリーを対象に、2018年11月末時点の純資産残高の合計を見ると、3兆526億円と2017年11月末比で1兆4149億円増加(86.4%増)した。ただ、内訳を見ると、通常のファンド(確定拠出年金専用およびファンドラップ専用、ETF除く)の増加率が4.4%に留まるのに対して、ファンドラップ専用が60.0%増と急増していた。

 2018年11月末時点において、国内債券に投資する4カテゴリーを合計した純資産残高の全体に占める比率を見ると、通常のファンド(確定拠出年金専用およびファンドラップ専用、ETF除く)が1.6%であったの対し、ファンドラップ専用のみでは22.1%となった。2017年11月末時点でみても、通常のファンド1.7%に対してファンドラップ専用のみは21.0%であった。ファンドラップではリスクを抑制するために国内債券の組入れ比率が高めとなっており、2017年11月末から2018年11月末時点にかけて国内債券に投資するカテゴリーの残高が急増した主因はファンドラップ専用であるといえる。

 10年物国債利回りは、日銀の緩和的な金融政策のものでは、今後も狭いレンジでの動きが続くと想定される。金利低下は通常のファンド(確定拠出年金専用およびファンドラップ専用、ETF除く)にとってもプラスではあるが、残高の伸びはファンドラップ専用と比べると限定的となりそうだ。
提供:モーニングスター社
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