最小分散戦略のパフォーマンスが良好、組入銘柄の特徴は?
国内公募株式型投信の内、2018年11月末時点でモーニングスター大分類が「国内株式型」に属するファンドの中で、最小分散戦略を用いるファンドのシャープレシオが上昇傾向にある。成長株、中小型株が高いパフォーマンスを見せた2017年とは変わって、景気変動に比較的強い銘柄の相対的な優位性が高まったことが最大の要因である。2018年11月末現在、同大分類に属し、かつファンドの名称に「最小」を含むファンドは3ファンドあり、いずれのファンドも過去12カ月のシャープレシオはカテゴリー内で上位50%以内となっている。
国内株式市場の代表的な指標であるTOPIX(東証株価指数)が金額加重平均であり、時価総額の大きな企業の株価変動の影響を受けやすくなるのに対して、最小分散戦略は、複数の銘柄を最適な比率で組み合わせすることにより、株式ポートフォリオ全体の価格変動リスクを最も抑えることができるように構築する点が大きな違いとなる。理論上は「低リスク・低リターン」となるとされるが、実証研究からは低リスクで高いリターンを実現しているという研究結果が報告されており、国内でも2015年10月から設定されている。
最小分散を行う際に一般的には特定の業種、銘柄に偏りすぎないように制約条件を設けていることが多い。一例として、「MSCI JAPAN 最小分散指数」(以下、同指数)では業種のウェイトが元指数のMSCI JAPAN 指数に対して±5%となるように、個別銘柄ウェイトの上限は1.5%、または元指数でのウェイトの20倍のいずれか小さい方とするなどの条件を課している。ベンチマーク、ファンドにより制約条件は異なることから、ファンドによっては銘柄構成には若干の違いがみられる。
同指数をベンチマークとする「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」<2015101906>は2018年10月末時点の業種別組み入れ比率の上位が、陸運業12.38%、医薬品10.90%、情報・通信業9.75%、小売業9.67%、食料品7.33%となっており、11月末時点のモーニングスターレーティングは5ツ星と優れた成績を上げている。また、「ステート・ストリート 日本株式最小分散インデックス・オープン」<2016092106>、「たわらノーロードplus国内株式高配当最小分散戦略」<2016033102>についても景気変動の影響が相対的に小さく、極端な価格変動が発生しにくいディフェンシブ業種・銘柄を組み入比率が高い点が大きな特徴となっており注目される。
提供:モーニングスター社
国内株式市場の代表的な指標であるTOPIX(東証株価指数)が金額加重平均であり、時価総額の大きな企業の株価変動の影響を受けやすくなるのに対して、最小分散戦略は、複数の銘柄を最適な比率で組み合わせすることにより、株式ポートフォリオ全体の価格変動リスクを最も抑えることができるように構築する点が大きな違いとなる。理論上は「低リスク・低リターン」となるとされるが、実証研究からは低リスクで高いリターンを実現しているという研究結果が報告されており、国内でも2015年10月から設定されている。
最小分散を行う際に一般的には特定の業種、銘柄に偏りすぎないように制約条件を設けていることが多い。一例として、「MSCI JAPAN 最小分散指数」(以下、同指数)では業種のウェイトが元指数のMSCI JAPAN 指数に対して±5%となるように、個別銘柄ウェイトの上限は1.5%、または元指数でのウェイトの20倍のいずれか小さい方とするなどの条件を課している。ベンチマーク、ファンドにより制約条件は異なることから、ファンドによっては銘柄構成には若干の違いがみられる。
同指数をベンチマークとする「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」<2015101906>は2018年10月末時点の業種別組み入れ比率の上位が、陸運業12.38%、医薬品10.90%、情報・通信業9.75%、小売業9.67%、食料品7.33%となっており、11月末時点のモーニングスターレーティングは5ツ星と優れた成績を上げている。また、「ステート・ストリート 日本株式最小分散インデックス・オープン」<2016092106>、「たわらノーロードplus国内株式高配当最小分散戦略」<2016033102>についても景気変動の影響が相対的に小さく、極端な価格変動が発生しにくいディフェンシブ業種・銘柄を組み入比率が高い点が大きな特徴となっており注目される。
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